17日、平成27年度全国高校総体茨城県予選は準決勝を開催。昨年優勝校で今年の関東大会を制した鹿島学園と過去22回の全国出場を誇り、79年には全国総体優勝を成し遂げた水戸商の一戦は、2-2で突入したPK戦の末水戸商が勝利。鹿島学園連覇の夢はここで潰える結果となった。

 カシマサッカースタジアムで11時キックオフ。試合は序盤、鹿島学園ペースで進んだ。ポゼッションを高めながら両サイドを有効に使い、チャンスを作り出すと17分、左サイドで攻撃の起点を作り出し、最後はパスを受けたMF小沼峻がカットインから右足一閃。豪快なミドルを叩き込み、先制に成功。さらにMF金子修羅らを軸に中盤を制し、主導権を握り続ける鹿島学園は39分にも追加点奪取。先制点をマークしたMF小沼峻が今度は左足でミドルを突き刺し、リードを広げた。

 対して水戸商の前半は完全に後手に回った印象。FW岡野将也、MF谷田部晶らが精力的な動きを見せるも鹿島学園の圧力に耐え切れず立て続けに失点。攻撃面でも良い形を作り出せず苦戦を強いられた。

 2対0、鹿島学園が2点のリードを得てハーフタイム突入。迎えた後半、攻勢に出たのは2点を追う水戸商だった。FW川上達也の投入など後半開始と同時に選手変更、あるいはポジション変更を施すと前半の停滞感と打って変わって攻撃が機能し始める。全体的な運動量が増えシュートチャンスを次々に作り出すと、何度も鹿島学園ゴールを脅かした。しかし、肝心なゴールが遠い。好機も鹿島学園の懸命な守備に阻まれる場面が多く見受けられた。

 それでも、試合終了まで残り5分程度に迫ったところで水戸商に幸運が訪れる。36分、左スローインからDF篠原貫太がクロスを上げるとこれが鹿島学園GKの頭上を越えてそのままゴールイン。1点を返すと、水戸商の追い上げムードは最高潮に。すると迎えた39分、水戸商はMF佐藤俊介が左サイドからアーリークロスを上げるとゴール前中央合わせたのはMF谷田部晶。背番号10を背負う男の一撃で、水戸商が土壇場で追い付いた。

 一方、悪夢の時を過ごした鹿島学園。この日2点のMF小沼峻を起点に後半も攻め込む場面が散見したがゴールには至らず。結果的に、追加点を逃したことが後に響き、2点のリードを守り切ることができなかった。

 2対2、その後迎えた延長戦ではスコアに動きはなく、勢いの差は続くPK戦で表れた。3人目が失敗した鹿島学園に対して、水戸商は5人全員が成功。歓喜に沸く水戸商イレブン。0-2からの大逆転劇で水戸商が決勝進出を果たした。

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