東福岡MF荒木遼太郎

 大きな野望と多少の戸惑いを抱えながら、高卒ルーキーたちが各々のペースでプロのキャリアをスタートさせている。

 Jリーグクラブ最多の20冠を誇る鹿島アントラーズに入ったばかりの荒木遼太郎もそんなひとりだ。高校サッカー界の強豪、“ヒガシ”こと東福岡(福岡)出身。もともとトップ下やボランチなど、センターのポジションでプレーしてきた攻撃的な選手である。U-16やU-17の世代別日本代表にも名を連ねた実力派だ。

 1月23日、鹿島の新体制会見で「少しでも早く試合に絡んでいきたい。自分の持ち味はキックなので、そこを生かしたプレーを見てほしい」と、初々しい表情で抱負を語っていた。

 だが、ひとたびピッチに立てば、まったく物おじせず、高卒ルーキーであることを忘れてしまう。“止める、ける、運ぶ”の基本技術が高く、視野も広い。ゲームの読解力に長け、何より冷静沈着。鹿島の大先輩にあたる小笠原満男や柴崎岳の系譜に入る将来性豊かな逸材だ。

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