会見の最後には、学校教員の息子さんで西野選手の大ファンだという子供が特別参加。「ヴォルティスとしてのサインは初めてかな」(西野)という第一号サインを見事にゲット!(写真=雨堤俊祐)

 また、ジュニアユース時代の同期で、ユースからのトップ昇格が内定しているGK後東尚輝と共に入団することについては「ヴォルティスに徳島県民が増えて嬉しいし、一緒に試合に出れたらもっと嬉しい。早く尚輝と共にチームの勝利に貢献したいです」と話した。「外へ出てみて(ヴォルティスへの思いが強いことが)わかった。ずっと試合はチェックしていたし、僕のやりたいサッカー、僕にあっているサッカーだなと思っていました。このチームでプレーしたいし、J1に昇格する、そしてJ1で戦い続けたい。オファーが来たときはすぐに決めました」とクラブへの思いも口にしている。

 ヴォルティスの試合は小さい頃から見ていた。「憧れていた選手は海外だとリヴァウド(元ブラジル代表)、ヴォルティスだと佐藤(晃大)選手。よくプレーを見ていたし、一緒に練習やプレーできた時はテンションが上がりましたね。ランニングしているとき、ずっと付いていって話を聞いていました。僕の中では若い頃の印象が強くて、点を取っているイメージがすごく強い。その秘訣を聞いたりしました。(先日、3年10日ぶりのゴールを決めて)また佐藤選手の時代が来るんじゃないかと、すごくワクワクしています」とこの時ばかりはいちファンの表情に戻っていた。

 プロ内定が発表された後に多くの人から連絡があったが、中でも印象に残っているのはジュニアユースの中学1年生のときに指導を受けた大島康明さん(現・鹿児島ユナイテッドコーチ)からの『プロになったことは通過点。中学や高校のように教えてくれる人はもういない。どれだけ自分が努力し続けるかが大事になるし、常に得点することを意識し続けろ』という言葉だ。大島さんも現役時代はFWや攻撃的なMFとして活躍するなど、西野と共通する部分もある。そうした恩師からの言葉が胸に響いたようだ。
 徳島で生まれ育った男が、京都での3年間を経て、地元でプロのキャリアをスタートさせる。選手として、人間としての成長。支えてくれた人たちへの感謝。そして徳島への思い。高いポテンシャルを持つストライカーは、まずは残り少ない高校サッカーに全力を注ぎ、チームと共に全国での活躍を目指す。

(文・写真=雨堤俊祐)