左から京都橘高校の米澤一成監督、西野太陽、徳島ヴォルティスの谷池洋平強化部長(写真=雨堤俊祐)
京都橘高校のFW西野太陽(3年)が徳島ヴォルティスへの入団内定記者会見で、高校サッカーで感じた成長や、生まれ育った徳島県への思いなどを話した。
着実に実力を伸ばしてきた西野だが、昨年はチームとしても個人としても悔しさの残る一年だった。チームは夏のインターハイではベスト4へ進出するも、チーム内外から期待を集めて挑んだ冬の高校選手権ではまさかの初戦敗退。西野も2月にU-17日本代表候補に初選出されるも、その後は京都橘で思うような活躍ができずにいた。「昨年は結果を残せず、それが続くことでより意識してしまった。『自分が点を取れないからだ。チームが負けたのは自分のせいだ』とマイナスな方向へ気持ちが沈んでしまいました」と振り返っている。だが、それも今年になって「高校サッカー最後の一年でやるしかない」とふっきれた。新型コロナウィルスの影響でインターハイが中止、リーグ戦も縮小されるなど活動の場は少なくなったが、スーパープリンスリーグ関西では開幕戦から2試合連続ゴールを決めるなど、実力を発揮している。
8月には夏休みの期間を利用して徳島へ約一ヶ月、トップチームに練習参加。「スピードの変化や判断力は前回(昨年の練習参加)より上がっていた」という手応えを感じた。今季のJ2は連戦が続き出場機会の少ない選手や練習生がプレーできる練習試合がなかなか組めない状況だが、日々のトレーニングでのゲーム形式で得点を決める回数が昨年よりも増えて、その形も「自分でドリブルをしかけてシュートまで持ち込めたし、シュートのアイデアも増えたと思う」と自信をつかむものだった。徳島では主にシャドーの位置でプレー。「垣田(裕暉)選手や渡(大生)選手、杉森(考起)選手と一緒にやってすごく刺激になりました。同時に、自分の武器は負けていないという思いもあります。(練習参加中に意識したのは)人が密集した中で上手く前を向けるかどうか。フィジカルの強い選手に対して力で行ったら負けるのは当然。そこは動き出しを早くする工夫や、駆け引きをもっとすることが必要です。ヴォルティスのスタイルを考えても“止めて蹴る”はすごく重要。垣田選手からはトラップや、ボールを落とすタイミング、ゴール前で何を意識するのかなどを教えてもらいました」と高いレベルの中で過ごした日々を語った。