MF日野翔太(堀越)
値千金の決勝弾。頼れるキャプテン日野翔太の活躍で、堀越が29年ぶりの選手権出場
誰もが延長戦を覚悟していた。前半12分にMF尾崎岳人(3年)のゴールで先制した堀越だったが、後半38分にFW原輝斗(3年)のゴールで同点に。残された時間はごく僅か。土壇場のゴールで息を吹き返した相手の勢いに飲み込まれてもおかしくない展開で、チームを救ったのは主将のMF日野翔太(3年)だ。
後半40+2分。DF斎藤光(3年)がゴール前にボールを入れると、若松隼人(3年)が上手く収めて山口輝輝(3年)にパス。その脇を駆け上がってきた日野はボールを受けると、巧みなトラップから冷静にシュートを流し込んだ。
ネットにボールが吸い込まれると、応援席からは歓声が上がり、ピッチでは歓喜の輪ができた。値千金の決勝弾。頼れるキャプテンの活躍で、堀越が29年ぶりの選手権出場を決めた。
試合後、安堵の表情を浮かべた日野。今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響で自粛を余儀なくされ、キャプテンとしてチームをまとめる作業は困難を極めたという。その中でも自発的に声をかけ、再開後は「今までやってきた練習メニューをしっかり取り組んできた」。そうした頑張りは佐藤実監督も認めるところ。「苦労してきた日野が決めてくれて良かった。普通のチームのキャプテン以上にやってくれましたね」。
決勝で最高の結果を残した日野。「自分が率先してやらないといけない。覚悟を持ってやってきた」という男の仕事はまだ終わっていない。選手権本大会まで残り1ヶ月半。最高の舞台で最高の結果を残すためにチームのために戦い続ける。