市立浦和高校サッカー部を率いる大野恭平監督はIT化が進む時代だからこそ主体性が必要だと語る(写真=多田哲平)
またインターネットの普及やIT化の進展により、あらゆる情報が簡単に手に入るようになった現代では、情報の取捨選択や情報の処理能力も問われる。過去に埼玉屈指の進学校・市立浦和高校では生徒全員にタブレットが配布され、授業などで活用されている。市立浦和は全国高校サッカー選手権で4度の全国制覇を果たした伝統校としても有名だ。
サッカー部を率いる大野恭平監督は現代的な取り組みについてこう話す。
「どこでも勉強できるし、どこでも映像が見えるだけでなく、みんなの回答が見れるなど、様々な情報が共有されやすくなりました。今はどこにいてもなんでもできて、なんでも手に入る時代。だからこそ、自分でどの情報を取りに行くか見極めるのは大切です。結局は将来を見据えて主体的に行動できているか。そこで差が生まれます」
生産性のない動画を観て時間を浪費したり、情報の信ぴょう性を確かめずに鵜呑みにしたりするリスクも多くなっている情報過多の社会では、いかに正しく、自分に役立つ情報かを見極める力が求められる。その力を養うのは、文武両道で得た知見と経験なのである。
こうした社会の変化を踏まえると、「文武両道」は単なるスローガンではなく、現代社会において必要不可欠な要素と言える。グローバル化とIT化が進む現代社会だからこそ、改めて勉強とサッカーの両立を目指す意義は高まっているのだ。
(文・写真=多田哲平)