若月大和(桐生一/湘南ベルマーレ入団内定)

 ただ、相手は自分たちよりも格上。押し込まれる時間も増えるだけに、カウンター狙いの時間帯も必ず出てくる。そうした時に有効なのが若月大和(桐生一/湘南ベルマーレ入団内定)の存在だ。

 特別指定選手としてルヴァンカップでJデビューを飾っている点取り屋の武器は圧倒的なスピード。相手の背後にスペースがあれば、その脚はより生きる。森山監督も「相手にとって嫌な存在」と期待をかけており、カウンターの急先鋒役として欠かせない。

 本人も自身の役割を理解している。「全員がカウンターをこのチームの武器として狙っている。そこに信じて僕は走るだけ」とし、背後のスペースを常に狙う意向を示した。特にオランダとの初戦では守勢に回る可能性もあるだけに、若月のスピードはチームの武器になるはずだ。

 一方の守備陣は数的優位を作りながら、粘り強く相手のアタックを跳ね返すことが肝となる。2年前のU-17ワールドカップと今年5月のU-20ワールドカップに出場した大型GK鈴木彩艶(浦和レッズユース)や、キャプテンを務めるCBの半田陸(モンテディオ山形ユース)が軸となり、最後まで身体を張った守りを見せられるか。最終ラインはサイズに恵まれていないだけに、一人ひとりにタフさが求められる。

 初戦のオランダ戦で波に乗れれば、2位以上と各組3位の上位4チームに与えられるノックアウトステージ行きが見えてくる。U-17日本代表がどこまで勝ち上がれるか注目だ。

(取材・文=松尾祐希)