■夢散った実力校
 富山第一優勝の陰で惜しくも敗退した実力校。FW石田雅俊、DF岩瀬剛、GK志村滉ら有力プレーヤーを擁し夏の総体を制した市立船橋は夏冬2冠を目指すも準々決勝で敗退。優勝候補同士のハイレベルな攻防として注目を集めた京都橘との一戦、主導権を握りシュート数では相手を上回りながらも京都橘が築いた強固なブロックを最後まで崩すことができず。0対2で敗れ国立行きを逃した。

 その準々決勝を制し2年連続の4強入りを果たした京都橘は続く準決勝で星稜に完敗。エースFW小屋松知哉ら攻撃陣は不発、悲願の日本一はまたも持ち越される結果に。続いてまさに“国立の悲劇”となったのは星稜。堅守を軸に攻守において完成度の高さを見せつけ決勝まで駒を進めるも優勝まであと一歩届かず。24度目の挑戦で味わった悔しさはきっとチームの糧となるだろう。

■観客を沸かせた主役たち
 大会得点王に輝いたのは神戸弘陵FW長谷川覚之と富山第一FW渡辺仁史朗。長谷川はチームが2回戦敗退に終わる中2試合で4ゴールの活躍。渡辺はチームの日本一に大きく貢献し大会優秀選手にも名を連ねた。

 続いて前回大会得点王の称号を引っ提げて今大会屈指の点取り屋と目された京都橘FW小屋松知哉。チームは惜しくも準決勝敗退となったが自身は準々決勝市立船橋戦で2ゴールを決めるなど超高校級ストライカーの片鱗を見せつける活躍。大会を通じて攻撃を牽引し優秀選手にも選出された。 

 最後は記録よりも記憶に残る活躍を見せたこの男。“PK職人”として注目された富山第一GK田子真太郎。準決勝四日市中央工戦、2対2で迎えた後半アディショナルタイムに登場すると突入したPK戦では四日市中央工3人目のキックを好セーブ。国立の舞台で大仕事をやってのけチームを決勝へと導くヒーローとなった。日本一に輝いたチームの中で抜群の存在感を放っていた。

▽選手権データはこちら
高校サッカー選手権特集ページ

【高校サッカードットコム】
ドットコムTwitter
ドットコムfacebook