全国高校サッカーインターハイは準決勝の戦いへ突入。ファイナル進出を懸けた注目の一戦を展望する。

【市立船橋(千葉)vs関東一(東京)】

 全国総体8度の優勝を誇る名門に今大会屈指の快進撃を続ける関東一が挑む構図。2年ぶり王座奪還へ迫る市立船橋と、同校史上初4強進出を成し遂げた関東一。怒涛の勝ち上がりを披露してきた両校の対戦に好ゲームの予感が漂う。

 盤石の勝利を重ねる市立船橋。ここまで好調攻撃陣の活躍が光り岡山学芸館(岡山)、尚志(福島)、久御山(京都)を連破すると、地元の声援が後押しする開催県代表滝川第二(兵庫)との準々決勝ではDF白井達也、FW永藤歩がゴールをマークし、2対0の勝利。攻守に安定感が覗えた会心の試合運びで準決勝へと駒を進めた。 

 迎える準決勝、キープレーヤーはMF椎橋慧也とFW永藤歩。主将を務める椎橋はここまで2ゴールを挙げる攻撃面での活躍に加え、守備面でも貢献度の高いプレーを継続。ボランチの位置からチームを支えている椎橋を中心に、MFの構成力に強みを持つ関東一との中盤における主導権の握り合いは勝敗を分けるポイントとなりそうだ。また、世代屈指のストライカーである永藤には2戦連続ゴールを期待。準々決勝の滝川第二戦で今大会初ゴールをマークしたエースはいよいよ本領発揮の時を迎えている。名門の看板を背負って立つ市立船橋イレブン、貫録の勝利でファイナル進出を掴み取りたい。

 歴史を塗り替える快進撃はどこまで続くのか。羽黒(山形)を破った初戦を機に、全国の舞台で“カンイチ旋風”を巻き起こす関東一市立船橋に立ち向かう。清水桜が丘(静岡)、大津(熊本)といった実力校を相次いで打ち破り初の8強入りを決めると、次戦で99年度優勝校広島皆実(広島)をポゼッションで圧倒し、初の4強進出。ここまで8年ぶり2度目の全国で“初”がついて回る快挙を成し遂げてきた。

 同じく関東に属する強敵との対戦を控える準決勝、何といっても鍵を握るのは今大会絶好調のMF鈴木隼平だろう。3回戦の大津戦では鮮烈なハットトリック達成で話題をさらい、広島皆実戦でも決勝点をマークするといよいよ得点王争いトップタイに浮上した。遡ること6月の東京都予選決勝でも決勝点を叩き出すなど大一番に強い頼れる主将が、名門撃破の切り札となる。チーム一枚岩となり挑戦を続ける関東一は準決勝を突破し、初の決勝進出を果たすことができるのか。

▽市立船橋チームデータ
“戦力充実の名門・市立船橋(千葉)、2年ぶりの王座奪還に期待!

▽関東一チームデータ
“混戦の東京を制した関東一(東京①)、2度目の全国に躍進の可能性秘める!

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