写真:都予選決勝より。駒澤大学高等学校DF髙橋勇夢

■大注目のオープニングゲーム!「駒澤大学高等学校vs阪南大高」

 第94回大会の開幕を告げる栄えあるオープニングゲーム。混戦の東京を5年ぶりに勝ち抜いた駒澤大学高等学校(東京)と、歓喜の初出場を飾る阪南大高(大阪)が激突。ともに予選やリーグ戦の戦いぶりを見る限り、試合展開の構図は“堅守速攻”の応酬となる見方が強い。

 ホームのアドバンテージを味方につける駒澤大学高等学校はチーム理念として掲げる「素早いプレスと素早いパスサッカー」を体現すべく、4-4-2のシステムを敷くことが濃厚。CB佐藤瑶大らが並ぶ最終ラインから、FW深見侑生、FW野本克啓が組む2トップまで連動したプレスの出来がチーム浮沈の鍵を握るポイントの一つ。高い位置でのボール奪取からMF矢崎一輝、MF栗原信一郎の両翼を起点に、そして前述の2トップをゴール前のターゲットに据え、ショートカウンターを仕掛けていきたいところだ。一方、駒澤大学高等学校と同じく4-4-2の布陣を敷いてがっぷり四つに組むことを選択するであろう阪南大高もチームの基盤は堅守。地区予選5試合を戦い喫した失点はわずかに1点と、GK杉田裕哉、CB小松拓幹らを中心とした安定した守備がチームを支える。ポイントは積極的な駒澤大学高等学校のプレスに対し受け身になることなく戦えるかどうか、自陣での安易なボールロストを避けプレーアエリアを敵陣へと押し込んでいきたい。

 続いて両チームのキープレーヤーを挙げたい。共にDFとしての出場ながら得点源としても期待される駒澤大学高等学校DF髙橋勇夢と阪南大高DF小松拓幹。空中戦に絶対的な自信を持つ彼らの活躍はチームの勝利に必要不可欠となる。東京都予選決勝堀越戦での先制弾が記憶に新しい髙橋は右SBのポジションから積極果敢な攻撃参加が魅力的。良質なクロス供給に加え、セットプレー時には優れた得点感覚を生かしゴールを決めるなど、チームの攻撃を牽引する存在である。一方、187㎝の長身を誇る小松も空中戦の強さはセットプレー時に威力を発揮。大阪府予選準決勝桜宮戦では豪快なヘディングシュートを叩き込めば、決勝の興國戦でもヘッドで決勝ゴールをアシスト。さらにプリンスリーグ関西でもFW森井崚太と並びチーム最多タイとなる6ゴールを挙げるなど本職の守備面同様、攻撃面での貢献度も計り知れない。チームが迎える記念すべき全国初陣、小松のプレーは攻守に要チェックである。

 全国の高校サッカーファンが視線を注ぐ一戦は30日、駒沢陸上競技場にて14時05分に運命のキックオフ。大舞台に登場する両者が織りなす好ゲームに期待したい。

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