國學院久我山・名倉巧(写真:選手名鑑より)

 とりわけ前線のコンビネーションは試合を重ねるごとに鋭さを増す。準決勝では3トップを操るMF名倉巧の好調が著しく、来季ベガルタ仙台入団が内定しているDF常田克人ら青森山田DF陣を翻弄する場面も散見した。また、迎える決勝は強力攻撃陣を擁する東福岡が相手だけに、これまで以上に守備に重きを置くことも重要となる中、前述の東福岡MF中村健人らとマッチアップするであろうMF鈴木遥太郎、MF知久航介のダブルボランチの仕事ぶりも注目される。東福岡の攻撃におけるキーマンに対するケア、特にバイタルエリアでの対応を重視し、まずは中盤で互角以上の戦いを披露したい。

 両雄が相対する一戦、勝敗を左右するポイントの一つとして“サイドの攻防”に注目する。東福岡では右サイドを主戦場に強烈なインパクトを残すMF三宅海斗と、準決勝星稜戦で先制点をお膳立てしたMF橋本和征の両ウイング、一方の國學院久我山においてはFW澁谷雅也の脇をがっちりと固めるFW小林和樹、FW内桶峻の2人。どちらが両サイドにおいて優位に立ち、より多くのチャンスを演出できるか。守備の負担が重くなればなるほど攻撃に転じる足かせとなるのは間違いない。攻守における比重の変化は主導権争いの変化に結びつくだけに、タッチライン際にて繰り広げられる攻防は要チェックだ。

 今大会を飾るファイナルマッチ、果たして勝利の女神はどちらに微笑むのか。運命のキックオフは明日11日14時05分、埼玉スタジアムに決戦の開始を告げる笛が鳴り響く。

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