桐光学園FW小川航基(写真:選手名鑑より)

 また、前述の2校とともに4強に名を連ねた青森山田(青森)もその実力をいかんなく発揮。東京ヴェルディーユースから同校の門戸を叩き、来季の湘南ベルマーレ入りが決まっているMF神谷優太を攻撃の軸に、一方、守備の軸にはベガルタ仙台入団内定のDF常田克人を据えたチームは準決勝で散ったものの、“東北の雄”の名に相応しい勝ち上がりを披露した。

■名場面ピックアップ!スーパーゴールからベストゲームまで

 まずは今大会生まれたスーパーゴールの数々。東福岡MF中村健人が決勝戦で決めた直接FKはまさに技ありの一発。GKに対しシュートコースを隠すため、ゴールに背を向けた3人がボールの前に立って肩を組む。彼らがゆっくりと数歩下がってしゃがむと次の瞬間、キッカーの中村は右足一閃。放たれたボールは身を屈めた壁のその上を通ってゴール左隅に突き刺さった。チームに貴重な追加点をもたらした見事なトリックFKは観衆の度肝を抜いた。

 國學院久我山MF内桶峻が準決勝前橋育英戦で挙げた決勝弾も鮮やかな一撃。スコアレスで迎えた後半12分、右サイドでボールを受けると、PA外からが右足を振り抜く。豪快なミドルシュートはニアサイドへと突き刺さりチームを初の4強へと導いた。中京大中京MF辻星哉は50メートルFKを叩き込む。2回戦札幌大谷(北海道)戦2点リードの後半、センターサークル内でファウルを受けた辻は一瞬のスキを逃さなかった。前掛かりとなっていた相手GKの頭上を越えるロングシュートを決めダメ押しの3点目を奪ってみせた。

  続いて、聖和学園(宮城)が野洲相手に披露した7発大勝は圧巻の一言。共に高い技術力を誇り、魅せるサッカーを志向する両チームの一戦、戦前には接戦が予想されたが蓋を開けてみれば一方的な展開となった。FW谷田光の先制ゴールをきっかけに主導権を握った聖和学園の大勝劇は満員となったニッパツ三ツ沢球技場を興奮の渦へと巻き込んだ。

 最後に、今大会ベストゲームの一つとして桐光学園(神奈川)と青森山田の一戦を挙げたい。来季のジュビロ磐田入団が内定しているFW小川航基の2ゴールでリードを奪った桐光学園に対し、青森山田は試合終盤のセットプレー2発で同点に追いつく。最後はPK戦の末、青森山田に軍配が上がった。決着のシーン、U-18日本代表でもチームメイトとしてプレーした小川と青森山田GK廣末陸の駆け引きは強く印象に残る。歓喜の廣末に対し、涙の小川。高校サッカーならではのドラマを生んだ一戦であった。

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