平成が間もなく終わろうとしている。高校サッカードットコムでは平成の30年間を振り返る。今回は政界ではPKO協力法可決、東京佐川急便事件。スポーツ界では高校野球における「勝利至上主義」が社会問題化した1992年(平成4年)。
「勝利至上主義」が社会問題化
国連平和維持活動(PKO)協力法が6月に衆院本会議で可決成立。9月から10月にかけて陸上自衛隊の施設大隊600人らがカンボジアに派遣された。そして、この年は国内政治で大スキャンダル「東京佐川急便事件」が発生。佐川急便からの5億円の違法献金が発覚し、自民党の金丸信元副総裁が議員辞職に追い込まれ、政治不信が広がった。
スポーツ界では「勝利至上主義」が社会問題化した。8月16日、第74回全国高等学校野球選手権大会2回戦、明徳義塾(高知)対星稜(石川)の一戦でその事件は起こった。後に米大リーグのニューヨーク・ヤンキースでも活躍する4番松井秀喜(星稜)に対し、明徳義塾は5打席連続して敬遠する作戦を敢行。結局、この試合で松井は一度もバットを振ることなく優勝候補の一角に挙げられていた星稜が敗退した。この5打席連続敬遠を契機に高校野球における「勝利至上主義」についての議論が湧き起こり、社会問題にまで発展した。
1月1日開幕の全国選手権は両校優勝
1992年(平成2年)の1月1日に開幕した1991年度第70回全国高校サッカー選手権大会は四日市中央工(三重)と帝京(東京)が決勝で激突し、延長でも決まらず両校優勝で幕を閉じた。この大会には後に日本代表に選出される四日市中央工(三重)の小倉隆史、鹿児島実(鹿児島)の前園真聖 (鹿児島実)、城彰二らが出場していた。
宮崎県で開催された夏の全国総体は徳島市立(徳島)が市立船橋(千葉)を1-0で下し四国勢初優勝を果たした。そして、第3回を迎えた高円宮杯全日本ユース(U-18)サッカー選手権大会(※高円宮杯U-18サッカーリーグが後継大会)は藤枝東(静岡)が読売日本SCを3-1で退け優勝を決めている。