また、試合ごとにヒーローが生まれているのも明るい材料。今大会は10番の松村にマークが集中したが、逆手に取って他の選手がその隙を突いて活躍した。すると、準々決勝は3回戦までに結果を残した選手を警戒されたため、松村が自由にプレーできる回数が増えた。1人のエースに頼るのではなく、11人で戦えているのもチームの強みだろう。

 1月11日に迎える準決勝の相手は矢板中央。フィジカルの強さを生かした守備が特徴で、静岡学園のスタイルとは180度異なるチームだ。小山、松村、岩本の3トップだけではなく、井堀らが2列目から飛び出していければ、攻撃に厚みが出る。そうなれば、警戒されていても簡単には止められない。守りがウリのチームを崩すのか。好調の攻撃陣が普段通りのプレーを見せれば、久しぶりのファイナルに手が届くはずだ。

▽第98回全国高校サッカー選手権
第98回全国高校サッカー選手権