(写真=田畑雅宏)

 「感動するサッカーとは感謝する⼼から⽣まれる」 この⾔葉は、4,5年前に選⼿達に話したフレーズである。
⼈は皆、それぞれの⽣まれ育った環境、ポリシー、フィロソフィーがあり、 ⼈⽣がある。
だから、何が正しいかなんて考えた事も無いし、それぞれの⽣き⽅に否定してはいけないし、 どんな⽣き⽅も、全てが正解だと思う。
その上で私は、⽇々感謝の気持ちを忘れずに過ごし、⼩さな出来事にも感動できる⽅は素敵な ⼈⽣を送っておられると思う。

⼭頂からの壮⼤な景⾊で思わず息を呑むとき。 綺麗な花に、⽬を瞑って思わず⿐を近づけるとき。 数年ぶりの仲間との再会、笑顔で肩をたたきあうとき。 満開の桜を⾒ながら挽きたての珈琲を飲み読書するひととき。 ⼦供の⼊学式や卒業式に出席しているとき。 ⼦供のお弁当を早朝に作っているとき。 ⼦供の送り迎えを⾞内で待っているとき。 家族で⾷卓を囲むだけで、今⽇⼀⽇が素晴らしい⼀⽇に思えてくる。

私は⼦供達に時々質問することがあります。 「感動するサッカー」ってどんな試合だと思う? ⼦供達からは 「負けている試合を逆転して勝った時」 「強いチームに勝った時」 「優勝した時」 「俺が点を決めて勝った時(だって親が 喜んでくれると思うから)」 そんな答えが返ってきます。

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▽第98回全国高校サッカー選手権
第98回全国高校サッカー選手権