DF田中誠太郎(高川学園/3年)写真=森田将義

DF田中誠太郎(高川学園/3年)

決して選手を手放しで選手を褒めない江本孝監督も一目置く期待のCBだ。「足が遅いし、技術もまったくない。自分の持ち味の気持ちの部分と最後は身体を投げてでもシュートブロックしようと意識している」と自己分析する通り、最大の特徴は自陣ゴール前での粘り強い守り。相手の動きを予測し、危ない場面を抑えるカバーリングのセンスも目を惹く。ボールを奪った後に隙あれば繰り出すドリブルも長所の一つで、本人も「元々は攻撃したいタイプなんです」と笑顔を見せる。

2年生ながらも不動の座を掴んだ昨年は、「DFリーダーとしての意識を持って、チームを引っ張っていける選手になりたい」と、チームメイトへの声掛けや雰囲気を変える声出しを心掛けながらプレー。早生まれ選手として挑んだ国体少年の部では、攻守両面でチームを牽引し、初めて3位入賞を果たす立役者となった。

「何があっても、100%の力を出し切ることをテーマにしている」今年は、残りわずかとなった高校生活で悔いを残さないよう、今までに以上に意識を高く持ち練習に励んでいる。昨年度の選手権が終わってからは肉体強化に励み、体重が3キロアップ。当たり負けしない肉体を身につけると共に、3月には覚悟を決めるため主力選手で話し合い、頭も丸めた。能力の高さを感じさせていたこれまでとは一味も二味も違う。チーム活動が本格化する今後は更なる活躍が期待できそうだ。

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