市立船橋イレブン(写真=小室功)

■市立船橋vs帝京長岡)
 堅守vsテクニック。フクアリの第2試合も第1試合に続いて、異なるスタイルを持つチーム同士の対戦だ。

 市立船橋は大会3週間前に校内で新型コロナウイルスの感染が確認されたため、開幕直前まで全体トレーニングが出来ない状況で1回戦を迎えた。しかし、キャプテン・CB石田侑資(3年)を軸に伝統の堅守を築き、素早いプレスバックや球際の強さを前面に押し出して相手を凌駕。課題だった得点力も様々なポジションの選手が点を取り、今大会の3試合で8ゴールを奪った。とりわけ、左ウイングバックの木内拓海(3年)は3試合連続得点中。ミドルレンジから得意の左足だけではなく右足でもゴールを決めるなど、相手の脅威になっている。粘り強い守備から攻撃に転じる回数を増やせれば、9年ぶりのベスト4入りが現実味を帯びてくる。

 昨年、谷内田哲平(京都)や晴山岬(町田)を擁してベスト4に入った帝京長岡は今年も技術力の高い選手を揃える。最前線の葛岡孝大(3年)やアンカーの川上航立(3年)を軸に流動的な攻撃を展開。U-15代表・廣井蘭人も履正社との2回戦(2-1)で決勝弾を挙げるなど、存在感を示している。一方の守備陣は松村晟怜(2年)が軸。昨年の途中までアタッカーを担っていたレフティはCBにコンバートされると、持ち前の正確なキックに加え、抜群の守備センスで才能を開花させた。12月には怪我で辞退したものの、U-17代表に選出。今大会も守備の要を託され、最終ラインでチームを支える。この松村を軸に最少失点で切り抜け、好調を維持する攻撃陣の奮起に期待したい。


▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権