青森山田イレブン

 堅守vs堅守。今大会でも3本の指に入るほどのタフな守りを見せる両雄が準決勝の舞台で顔を合わせる。

 1月9日に全国高校サッカー選手権の準決勝が埼玉スタジアムで行われる。第2試合は2年連続でセミファイナルに挑む矢板中央と、直近5大会で2度優勝している青森山田が顔を合わせる。

 4試合で1失点。今大会の矢板中央は伝統の堅守で守り倒し、準決勝の舞台に勝ち上がってきた。どれだけ攻められても、身体を張った守備で得点を許さない。常に誰かがシュートコースに入り、鉄壁の守りを見せてきた。東福岡との3回戦では圧倒的に押し込まれ、打たれたシュートは17本。攻撃陣は4本しかシュートを放てず、文字通り防戦一方の展開となった。それでも自陣に9人が戻る全員守備で相手の猛攻に対応。苦しみながらもPK戦で勝利を手にした。チームの要はCB新倉礼偉(3年)とGK藤井陽登(2年)。2人を軸に闘志溢れる守りでゴールを死守し、ロースコアの勝負に持ち込むのがチームのスタイルだ。課題は攻撃陣。セットプレーと速攻を強みにしているが、今大会は4試合で3得点しか奪えていない。FW多田圭佑(3年)を軸に少ないチャンスをモノにできれば、初の決勝進出が見えてくるはずだ。

 青森山田は圧倒的な力を誇示し、優勝候補の名に相応しい戦いぶりで準決勝に駒を進めた。伝統の堅守は健在。藤原優大(3年/浦和レッズ入団内定)と秋元琉星(3年)のCBコンビを軸に空中戦を制し、地上戦でも球際の強さを利して危険な場所にボールを運ばせない。帝京大可児との3回戦で2失点を喫した以外はパーフェクトな守りで零封。簡単に崩される気配はない。一方の攻撃陣は得意のセットプレーからゴールを量産。帝京大可児戦では内田陽介のロングスローを起点に3得点を挙げるなど、好調を維持している。また、流れの中からもゴールが生まれており、広島皆実との2回戦ではシャドーの松木玖生(2年)と安斎颯馬(3年)が揃い踏み。このダブルエースに加え、1トップの名須川真光(2年)も準々決勝の堀越戦で2得点の活躍で状態を上げてきた。攻守に隙がない青森山田。2年連続の決勝進出に死角はない。

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権