攻撃力が売りの両者の対戦を占う上で勝負のポイントはどこにあるか。試合の分水嶺になりそうなのが、守備陣の出来だ。
帝京はここまで4試合で7失点。完封勝利は一度もない。攻撃力がフォーカスされる一方で、最終ラインの背後を突かれてピンチを招くシーンが多い。とりわけ、リードを奪った後に追加点を狙いに行った際に裏を取られるケースが目立つ。丸岡戦では1-0の状況から前半のアディショナルタイムに裏抜けを許して2失点を喫した。梅木怜(2年)や大田知輝(3年)のCBコンビを軸に集中力を高めて大一番に挑みたい。
昌平は4試合2試合で完封勝利を果たすなど、今大会は守備陣が奮戦。主将・津久井佳祐(3年)と石川穂高(2年)が身体を張った守備を見せており、GK上林真斗(3年)も堅実な守備でチームを最後尾から支えている。だが、大津との準々決勝で津久井が負傷交代を余儀なくされた。今大会中の復帰は不透明でCBに対応できる選手もベンチには佐怒賀大門(2年)しかいない。選手層の薄さが気になるが、大津戦で途中からピッチに入った佐怒賀が上々のパフォーマンスを披露。「身体は小さいけど、サッカーセンスがある。能力で守るのではなく、サッカーセンスで守ることできる選手」と藤島崇之監督が太鼓判を押す通り、準決勝でも津久井の穴を埋める活躍に期待したい。
プリンスリーグ関東の第2節では昌平が3-0で帝京に勝利している。それから3ヶ月。インターハイではどのような結末を迎えるのか。注目の一戦は28日の11時半にキックオフを迎える。
(文・写真=松尾祐希)
▽令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和4年度全国高校サッカーインターハイ(総体)