【17】FW小林俊瑛(大津/3年)

 中学時代の小林俊瑛について、神奈川県の中体連選抜で一緒にプレーしたことがある松本国際(長野)の高城泰史はこう話す。「身長は高かったけど、そこまで目立つ選手ではなかった。日本代表に選ばれるまでの選手になるとは思わなかった」。

 大津に入学した直後は、“大きいだけ”と言われがちな選手だったが、努力家である小林の成長は著しかった。それまでは競り合う必要がなかったヘディングを猛特訓。2年目からは格上との戦いが続く高校年代最高峰のプレミアリーグで工夫しながらプレーしたことで、「ポストプレーは入学したときより成長を感じるし、どんな相手でも背負えるようになってきた」。いまではほかの選手ならヘディングで対応する場面でも、胸で収めて味方につなぐプレーが十八番だ。

 主将を務める今季は、メンタルでも成長の跡がうかがえる。

 「あまり引っ張るタイプではなかったけど、国立の舞台などを自分が一番経験しているので引っ張らないといけない」

 年々たくましさを増す小林が狙っているのは、昨年の選手権で記録した準優勝超えだ。先輩たちからは「絶対に全国制覇してくれ」と想いを託されている。高校3年間で一皮も二皮も剥けた小林なら、必ず期待に応えてくれるとみんなが信じている。

(文=森田将義)

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