國學院久我山は3年ぶりに選手権の舞台へ(写真=矢島公彦)

 その履正社の対抗馬になりそうなのが、逆の山にいる國學院久我山と岡山学芸館だ。前者は今大会の得点王候補・FW塩貝健人(3年)を軸にテクニカルなサッカーを展開しており、攻撃力は今大会でも屈指のレベル。後者は粘り強い守備をベースで、ボールをしっかり繋ぎながらゴールをこじ開けるスタイルに磨きをかけてきた。さらに今年は東海大福岡で一時代を作り上げた平清孝氏がアドバイザーに就任し、百戦錬磨の智将の経験値が加わったのもプラスの材料。勢いに乗れば、十分に初の8強入りも夢物語ではなく、初の4強入りも不可能ではない。

 その他ではベスト4に入った2016年度以来の出場となる佐野日大、テクニカルなサッカーを身上とする帝京大可児も力がある。昨年度の選手権初戦で流経大柏を下した近大和歌山はMF畑下葵(3年)を軸に旋風を巻き起こせるか。展開力と守備力を兼備した司令塔はロングスローも得意としており、畑下を軸にまとまれば上位進出の可能性は十分にあるはずだ。また、履正社と初戦で対戦する東邦も侮れないチーム。市立船橋でカレン・ロバートらを育てた石渡靖之監督が7月に就任すると、右肩上がりで成長を続けて全国舞台への出場権を手に入れた。MF森一琉(2年)、DF朴勢己(2年)など下級生にタレントを揃え、虎視眈々と優勝候補撃破を目論んでいる。1回戦の結果次第ではBブロックの行方は混沌するだけに、東邦と履正社の一戦は隠れた注目カードと言えるだろう。

 Bブロックを制するのは果たしてどこか。いずれにせよ、優勝候補・履正社がキーマンになるのは間違いないはずだ。

(文・写真=松尾祐希)

▽第101回全国高校サッカー選手権
第101回全国高校サッカー選手権