明秀日立のDF長谷川幸蔵は圧倒的なスピードとスタミナでピッチを奔走する(写真=多田哲平)

 かたや明秀日立は鋭いカウンターが光る。FW9熊﨑瑛太(3年)は競り合いに強く、FW11石橋鞘(3年)は神出鬼没の動きでゴールを狙う。MF13益子峻輔(3年)とMF16柴田健成(2年)の両サイドハーフは奪ったボールを素早くゴール中央へと供給する。そしてバリエーションという点ではジョーカーの存在が見もの。静岡学園戦と青森山田戦で決勝点を奪ったFW10根岸隼(3年)、高知戦の勝利の立役者であるFW17竹花龍生(2年)、ドリブラーのMF19斉藤生樹(3年)という攻撃のリズムを変えて勝負を決定づける個がベンチに控える。

 なお両校は実は、今大会に向けた準備として、7月17日にトレーニングマッチ(35分×2本)を行っていたという。その一戦では桐光学園が先制したものの、明秀日立がその後3点を奪い3-1で勝利している。この”前哨戦”がどう影響するかも気になるところだ。

 桐光学園の鈴木監督は「(明秀日立は)素晴らしい全員がハードワークするチームだったので、そこから学ぶべきことがたくさんあった。萬場監督とも良い関係性でいさせてもらっているので、そういう指導者仲間とファイナルを戦えるのは楽しみです。最高の舞台で勝負ができることを幸せに思いながら、明日の決戦に備えたい」と意気込めば、明秀日立の萬場監督は「この舞台で桐光学園とやれるのは、準備の段階から大会を戦ってきてどうなったのかを図る絶好の機会なので、結果はどうあれ自分たちの力を思い切り出したい。大会前の桐光学園は別物だと思っている。このステージらしい桐光学園との試合をイメージして準備したいと思います」と対戦を心待ちにしている。

 神奈川屈指の名門か、茨城の旋風か。注目の一戦は8月4日の12時、花咲スポーツ公園陸上競技場にてキックオフ予定だ。

(文・写真=多田哲平)

▽令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和5年度全国高校サッカーインターハイ(総体)