堀越が初の4強

 攻撃的なスタイルが身上で、3バックの一角に入るキャプテンの金山耀太(3年)も自ら運んで決定的な仕事ができる。シャドーの山門や最前線のFW小山真尋(3年)も技術力が高く、サイドアタックを主体にスピードに乗った攻撃が可能だ。初の国立で思うように身体が動かない可能性もあるが、普段通りにやれば決勝進出の可能性は十分にある。清水でプレーした経験を持つ前田高孝監督がどのような策を打ってくるのか。本格強化8年目で掴んだ大舞台でどのようなプレーをするのか楽しみだ。

 一方の堀越は堅守を武器にしぶとく勝利を重ね、過去最高だったベスト8超えに成功した。CB森奏(2年)を中心とする最終ラインはGKの吉富柊人(3年)以外は2年生だが、寄せが早く、組織的なディフェンスで相手を封じ込める。今大会は3回戦まで無失点。佐賀東との準々決勝は相手に攻め込まれる時間帯が長かったが、少ない好機を生かして主将・中村健太(3年)のゴールで前半のうちに先制した。後半は耐える時間となり、何度もポストやバー直撃のシュートを放たれたが、タフに戦って相手に得点を許さない。逆に隙をつき、MF仲村俊(2年)が追加点を奪ってゲームを有利に進めた。最終盤に今大会初失点を喫したが、リードを守り切って国立行きの切符を手に入れた。

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▽第102回全国高校サッカー選手権
第102回全国高校サッカー選手権