昌平MF山口豪太

 一方の昌平は苦しい戦いを制し、インターハイでは4度目となる準決勝の舞台に勝ち上がってきた。1回戦では尽誠学園に2-1で勝利したが、一度は同点に追い付かれる展開に。最後は終了間際にCKから右SB上原悠都(3年)が決めて難を逃れた。続く帝京安積との2回戦は4-0で快勝。福大若葉との3回戦も2-0で制して準々決勝まで駒を進めてきた。しかし、桐光学園との準々決勝では前半27分までに0-2とされ、35分ハーフの短期決戦では致命的な失点を喫してしまう。それでも、後半9分にエースストライカーのFW鄭志錫が決め、終了間際にはMF本田健晋(3年)の右クロスにDF中松陽太(3年)が合わせて土壇場で試合を振り出しに戻す。最後はPK戦を制して勝ち名乗りを上げたが、磐石の試合運びとは言えない内容だった。だが、攻撃陣にタレントは揃っており、鄭だけではなく、右サイドの山口豪太(2年)は左足のキックとアイデア、左サイドの長璃喜(2年)はドリブルが武器で、キャプテンを務めるボランチの大谷湊斗(3年)もゲームメイク能力とパスセンスで攻撃を組み立てる。守備陣が粘り強く戦いつつ、攻撃陣が早い段階でゴールを奪えれば、戦い方は楽になる。逆に攻めあぐねるような展開になれば、相手の術中にハマってしまう可能性が高い。試合の入りに気を付けつつ、積極的にゴールを狙っていくことが勝利の可能性を高めるポイントになるはずだ。

 (文・写真=松尾祐希)

▽令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)
令和6年度全国高校サッカーインターハイ(総体)