前橋育英イレブン

 一方の前橋育英は攻撃力を特徴に持つ。キャプテンのMF石井陽(3年)が中盤の底で舵取り役を担い、ショートパスを多用しながら相手陣内に入り込む。前線には多彩な役者が揃っており、個性的なプレーヤーがゴールを陥れる。右サイドハーフのMF黒沢佑晟(3年)はスピード、左サイドハーフの平林尊琉(2年)はテクニックで勝負できるタイプで、2トップの一角に入る佐藤耕太(3年)は身体を張ったポストプレーでタメを作る。そして、FWオノノジュ慶吏(3年)が最前線に構えているのも心強い。圧倒的なスピードと当たり負けしない身体の強さを持つストライカーで今季はU-18高円宮杯プレミアリーグEASTで得点王に輝いている。今大会もここまで4ゴールを奪っており、特に準々決勝の堀越戦(1-0)では決勝点を奪った。勝負強さも兼ね備えており、準決勝でも背番号8を背負うストライカーがキーマンになる。脆さを見せていた守備陣は2、3回戦で2-0から追いつかれる試合運びを見せたが、準々決勝では無失点。尻上がりに調子を取り戻しており、準決勝も集中力を切らさずに戦いたい。

 “赤い彗星”か“上州のタイガー軍団”か。伝統校同士の一戦から目が離せない。

(文・写真=松尾祐希)

▽第103回全国高校サッカー選手権大会
第103回全国高校サッカー選手権大会