松商学園・高山剛治監督(写真提供=松商学園サッカー部)

 平成元年のインターハイ初出場以来、インターハイ、選手権を合わせ長野県随一、30回もの全国大会出場を果たしている強豪・松商学園サッカー部。平成29年4月にはJ2の松本山雅FCとユース年代の選手育成に関する連携協定を締結し、チームの強化・育成にも拍車がかかっている同校。そんな長野屈指の名門校を率いる高山剛治監督に、チームの話をうかがった。

ーーチームの部員数や構成などは現在どのような形なのでしょうか?

 今の部員数は1年生が38人、2年生が46人、3年生が41人、マネージャーが3人の128人です。カテゴリーはAチーム、B1チーム、B2チーム、1年生チームという構成になっています。

ーー松商学園が目指しているサッカーとはどういったところでしょうか?

 攻守において主導権を握り続けるサッカーですね。ボールも大事にしてやっている選手も、見ている人も「楽しい」と思えるようなサッカーをしたいと思っています。それでいて、ただ動かしているだけではなく、「攻撃も守備もアグレッシブに」というところも重視しています。そして選手たちが躍動しているようなサッカーをすることですね。

ーーチームに求める選手とはどういった選手ですか?

 まずは「人間性」というところですね。「夢」を持っているかどうかという部分も大切にしています。「全国大会で優勝したい!」とか、そういう「夢」を持っている子たちって、少なくなってきているような気がするんですけれども、やはり夢や目標を持っていることって大切だと思っています。私も長野県のチームで日本一という大きな夢を持っています。そして主体性のある選手。「前のチームではキャプテンをやっていた」とか「チームのムードメーカー」とか、自主性のある選手たちには大きな魅力を感じますね。そういう選手は魂がありますから最終的にチームの支えとなってくれます。

 それと技術を武器にサッカーをやってきた選手、例えば体は小さいけれどもドリブルやパスの精度に優れている選手なども、チームとして求めていますね。

戦術ミーティング中の松商学園サッカー部(写真提供=松商学園サッカー部)

ーーセレクションや練習会などは定期的にやられているのでしょうか?

 練習会は8月の18日に行いました。基本的には年に1回、多くて2回という感じです。

ーー選手のスカウティングやセレクションの際は、どういった点を重要視されていますか?

 そうですね、スカウティングにも行かせてもらうことはありますし、あとは中学生の生徒の方に来ていただいて練習試合もやらせていただいているので、その時に選手のチェックなどはさせていただいたりしますね。重要視しているのは、やはり積極的にゲームにかかわっているかどうかや「止めて蹴る」やドリブルなど技術的な面はどうかなどをチェックしますね。そしてやはり躍動しているかどうか。サッカーをやらされているのではなく、自分からやろうとしているかどうかなどを見させてもらっています。武器をもっているかどうかということも重要だと思います。

 もちろん高い技術を持ってきている選手が来てくれるのはありがたいことなんですけれども、高校生というのは短期間でめちゃめちゃ上手くなりますし、私たちも上手くしようと思って指導しているので、「技術がないから」といって諦めるようなことはしてほしくないですね。サッカーが好きで一生懸命やっている子ならきっと上手くなると思っています。

 次回はチームの中心選手や現状の課題などについて紹介する。