三菱養和SCユース 庄内文博監督
高体連のチームやJユースとも異なり、いわゆる“街クラブ”というチームがある。巣鴨や調布と東京を拠点に置く「三菱養和サッカークラブユース」がそれだ。街クラブといっても、三菱養和SCユースは、現在プリンスリーグ関東に所属し、今までに数多くのプロを輩出している強豪チーム。しかもそれほどの強さを誇りながらも、“サッカーを楽しむ”ことを貫くスタンスも持ち合わせている。今回はそんな個性あふれるチームを率いる庄内文博監督に、2021シーズンの振り返りや新チームについて話をうかがった。
ーー三菱養和SC巣鴨グラウンドでプリンスリーグ関東の試合を2試合(鹿島アントラーズユース戦、前橋育英戦)を見させていただいたのですが、いずれも試合終了間際に劇的な展開がありました。まさに最後まで諦めない試合でした。確かに選手たちにも「最後まで諦めない」という意識が浸透しているのを感じました!
そう言っていただけると本当にうれしいですし、ウチにいる選手たちはJユースのクラブチームとは一線を画した街クラブで、本当に三菱養和を大好きでいてくれる選手たちです。そんな子どもたちが高校3年生になった時にどんな姿でプレーしてくれるかということを楽しみにしながら、日々指導にあたっています。
ーー2021シーズンを振り返ってどんなシーズンだったでしょうか?
2021年シーズンはコロナも収まって普通に試合ができるというイメージがありながら、蓋を開けてみると、シーズンがスタートして4月の3週目くらいに緊急事態宣言が再び発令された中で戦ってきました。東京都は時間の制限だったり、グラウンドの使用可否、感染対策を徹底しながら試合をしてきましたが、前半戦はすごく苦しみましたね。そんな中でも選手たちがこの状況下でやれることをしっかりやろうということで、トレーニングの質にこだわりながら過ごしてきたことが夏以降、勝ちにつながっていったんじゃないかなと思っています。
昨シーズンは指導者としても色々と考えることが多かったんですけれども、それ以上に選手たちの方が大変なことがたくさんあったんじゃないかなと思うんです。そんな中でも選手たちは不平不満を言わずに、グラウンドに来て、元気にプレーしている姿を見せてくれるだけで、本当に感謝の気持ちしかないですし、試合だけでなくシーズンの最後まで日々全員でチームを盛り上げて力を発揮してくれたと思います。