帝京・日比威監督
第98回全国高校サッカー選手権東京予選2次トーナメントのAブロック決勝では2点のビハインドから同点に追いつくも惜しくも國學院久我山に敗れ10年ぶりの全国選手権出場を逃した帝京。その名門・帝京を率いる日比威監督にお話を伺った。
――決勝戦を振り返って。
同点に追い付いた所で畳みかけてひっくり返せないと。ウチがあそこでギアを上げられなかったという所が最後勝ち切れなかった要因だったと思います。久我山さんの3点目が全て。アレが久我山さんの本当の力だと思うし、ウチは追い付くまでしかパワーが残っていなかった。4失点目はウチが取りにいっての結果なのでしょうがない部分もあるが、1点目2点目もそうですけど、3点目シュートコースに寄せられない、逆に言うと國學院久我山の選手がシュートコースに入れないような持ち方だったりボールの隠し方が上手かったなと思います。
――目標にしていた”選手権"
選手権に出るためにプリンスリーグもやってきたが、今の状況からいうとまだまだ、11人…15人のレベルでは厳しかった。代わって入って来た久我山の選手たちはそれなりにパワーもあって良かったですけど、ウチはまだまだ。下からレギュラーを勝ち取ってっていうメンバーが今年の夏は少なかったっていう現状もあるし、難しい所です。今日の試合で言えるのはウチらよりも2枚も3枚も久我山さんの方が上だったと思うし、ウチは全国のスタートラインに立てる状況では無いんだなと痛感しました。
ここ数年でサッカーはだいぶ変わったと思いますし、4年前に久我山さんとPK合戦でやったあの試合(第94回全国高校サッカー選手権東京二次予選 Bブロック決勝戦)と比較しても、決定力の差が出た試合だと思います。チャンスはあったが決めるところを決めないと自滅してしまう。追い付かれた所で跳ね返した久我山さんが凄いし評価出来ることだと思いますので、久我山さんの方が強いメンタルをウチより持っていた証拠です。あそこまで持っていったことは評価出来るが、同点の所から畳み掛けられないようでは帝京がまだ帝京ではないということなのでしょう。
メンタルという部分で言えば、トレーニングだけでは改善出来ないし、やはり日常生活に答えはあると思う。学校生活もそう、安定していかないと次に繋がらない。日常生活をいい加減にやっているような奴がいざ本番になった時に力を発揮できるとは思えない。また来年に向けて仕切り直します。
(取材・写真=甲斐雅人)