都立東久留米総合

 第98回全国高校サッカー選手権東京予選2次トーナメントのBブロック決勝を制したのは都立の強豪・都立東久留米総合だった。就任2年目で選手権全国の舞台にたどり着いた都立東久留米総合の加藤悠監督にお話を伺った。

――決勝は準決勝と似たよう展開でしたね。
選手権通して、もう少し攻撃を意図的に出来ると思っていたんですけど(笑)。やっぱり緊張なのかまだまだなのか、守備的に戦おうと選手に言った訳ではないんですけど、安定させるという意味ではバランスを崩さないようにリスクを考えながらやった部分はあった。今大会を通して守備の時間は長くなったんですけど、ただそれで勝ち上がって来たので、それが続く分には構わないかなとは思ってました。

――劇的な終わり方でした。
彼らの判断の中で東海大高輪台の両サイドと真ん中は映像見ても非常にテクニカルだったので、両サイドバックの横に両サイドハーフを落とそうと、後ろが6枚になっても構わないというところでゲームに入りました。相手も外に人数を掛けてバランスが崩れた時間帯もあったんですけど、そこはサイドハーフを前に出して対応した。それを乗り越えられればワンチャンスあるかなとは思っていて声を掛けていました。まさか最後あんな形でセットプレーで取れるなんて。セットプレーは一つの武器だったので耐えて耐えてチャンスを掴めて、まぁ勝つにはこういう展開しか無いんですけど、勝てて良かったんじゃないかなとは思います。

――後ろ6枚にしたっていうのは選手たちが試合の中での判断でしょうか?
リーグ戦を通したなかで、後ろ6枚になるのは重たくなって前に出ていけないぞという反面、でも「6枚の方が崩れないよね」っていうのもあって。そこは肌感覚でピッチに立った選手の判断。東海大高輪台の20番FW横山歩夢くんはスピードもありますので、そういった所で彼らがバランスを崩さないように、20番DF加藤隼吾も11番MF佐藤海翔も降りて来いと。他のチームのサイドハーフの選手はやりたがらないがウチの選手はそれをやってくれる。リーグ戦を通してたくさん失点して来たので、そこに落ちて守れるならという所もあるので、よく頑張ったなと思います。見る人が見れば怒られるような中身ですけど、彼らも最後なので、彼らが勝ちたいという気持ちを考えれば彼らの意思を尊重してあげたいなと思いました。

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