まず、監督のオーダーにこたえられるのは絶対的な条件だと思うんですよ。監督は絶対に代わるのでその監督一人一人の戦術を理解する能力が必要になってきます。監督の戦術を理解できないと、ある監督では使われるけれども別の監督だと使われないといったことになってしまうので。

 僕は普通では戦える選手ではなかったので、そういう意味ではキャンプ前には必ず体を作っていきましたね。なぜかというと監督が、キャンプで方針を語るわけですよ。それをいち早く理解し、プレーで見せるんです。そうすると、「あいつは使える」と監督に思ってもらえるんですよね。その辺はずる賢しこかったかもしれません。

 もうひとつは僕の経験でいうと、絶対にそのチームに必要な選手がいるわけですよ、エクストラと呼ばれる選手が。そのチームで重要なポジションにいる彼らに認められることが大切だと思います。

 その選手に「あいつがいれば俺は輝ける」と思ってもらったら勝ちですね。 例えば、闘莉王があがれば、「自分がカバーをするから任せろ」とか。彼らがやりやすいような環境を作るように努力するんです。そうすれば、エクストラと呼ばれる選手に必要とされ、自分の存在価値が生まれ試合に出られるようになるんですよ。言葉は悪いですけど、金魚の糞作戦ですね(笑)

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