―10年前と比べ、今の高校生たちは恵まれた環境でサッカーをしています。今の彼らに対して、一番大事にして欲しいことはありますでしょうか
岩:サッカーをやる上でプロを目指すかは関係ないと思っています。竜太も今話していたように、僕も良く言うのですが、夢を持っているかは関係ありません。毎日の取り組みがどうであるかが結論付けると思っています。僕らの時代はサッカー選手になるという想いではなく、少しでもサッカーが上手くなりたいという気持ちで取り組んでいました。もちろん、夢を持つことに意味がないわけではありません。ゴール地点を自分で決められるので逆算しやすくはなります。ただ、やるべきことは変わりません。毎日、何をしていくかが全てだと思っています。

佐:難しいですね(笑)大樹さんはかなり特殊で、なりたくてプロになった訳ではなかったと思います。ただ、プロになりたいと思っていたわけではない中で、ここまでプロのキャリアを積んできたことを僕は不思議に思うところがあります(笑)

岩:なるほど(笑)さっきの話になるのですが、プロになりたいという想いを持つことで、実現のために逆算をするとやるべきことが明確になります。そうすると、成長するための意味がはっきりします。そのゴールがないとやるべきことがはっきりしないので、夢を持つことは大事なことだと思います。ただ、その夢を持たずに自然と行動出来ているのであれば、それはそれで問題ありません。例えば、次の試合に勝ちたいと言う目標でもいいですし、ユースの奴に負けたくないという竜太みたいな気持ちでも良いと思います。だから、「勝つためにどうするの?」という感じで、今日やることが明確になっていれば十分です。なので、僕は最終的にゴール地点を決めなくても良いと思っています。もちろん、サッカー選手になりたいという風に決められれば良いですけど、そもそも描けない選手も多くいます。サッカー選手を目指していなかったとしても僕はなれました。なので、プロを目指す、目指さないが将来の分岐点にはならないと思います。

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