(写真提供=桐蔭横浜大学)

 大学サッカーシーンでトップレベルに位置する関東大学サッカーリーグ戦1部において、近年メキメキと頭角をあらわしているのが桐蔭横浜大学だ。そんなチームにあって、求める選手像や、選手のスカウティング術、そして新型コロナ感染拡大の影響を受けたシーズンをどう乗り越えたのかなど、安武監督に話を伺った。

ーー1つの敗戦を機に選手たちに自立心が芽生え、チームとしても成長できたかと思いますが、チームに求める選手と言うのはどんな人材なのでしょう?

 やはりチームを“勝たせる”選手ですね。試合をするのは選手たち自身なので、「どうしたら試合に勝つことができるのか?」を考えられる選手になってほしいですし、チームの勝敗について責任を負える選手になってほしいです。プレイヤーとしては、1つ2つ特徴がある選手、どこかが突出した選手を求めますね。じつは全体的なバランスがいい選手って、けっこう多いんですね。でもそれだとなかなかプロになることはできない。プロになる選手って、バランスがいいのは当たり前なんです。プロでは「足が速い」とか「身体が大きい」とか、一芸のある、どこかで秀でている選手が求められますね。技術的なこと、例えばボールロストしないとか、切り替えを早くする、球際に強くなる、ハードワークするとかサッカープレイヤーとして基本的なことは、ウチ(桐蔭横浜大学)に来ればいくらでも身に付けることができますから。

好成績をおさめスカウティングやセレクションなども以前よりはやりやすくなってきたのではないでしょうか?

 そうですね。昔に比べればやりやすくなってきていると思います。でも伝統のある大学などと比べると、スタッフの数もけして多くはないので大変な面も多少ありますけどね。それでもいわゆる「サッカー名門校」といわれる高校の選手がウチを選んでくれることも多くなってきていることは事実ですし、伝統ある大学ではなく「桐蔭横浜大学でサッカーがしたい」ってウチを選んでくれた選手たちには感謝しかないです。そんな選手たちに失礼なことはできないですし、本当に大切にしなければいけないなって思っていますから、ウチは選手たちの自主性を尊重します。選手たちにとって「伸び伸びと楽しくサッカーができる環境であること」を重視していますし、それを維持していくことを大切に考えているんです。周りの人から「桐蔭横浜大学の選手って、本当にサッカーを楽しんでるよね」って言ってもらえることも多いんですけど、そういうチーム作りというのは意識して取り組んでいますね。

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