(写真提供=桐蔭横浜大学)

ーー選手のスカウティングに関しては安武監督自身でチェックに行かれたりするんですか?

 スカウティングに関しては現総監督の八城が高校(桐蔭学園高)の監督でもあるので、神奈川県内の有力選手はもちろん、北海道から九州まで多くの選手の情報を持っているので助かりますね。八城から、実際に対戦したり、地方のサッカーフェスティバルで見た選手をチェックして、「この選手良かったよ」とか教えてもらえるんです。で、その情報をもとに、大学の練習に参加してもらったり。もちろん自分でチェックにも行っています。去年はコロナという状況もあったので、さすがに行くことはできなかったんですけどね。ですので今まで集めたリストを活用したり、多くの人に電話して情報を集めました。

 自分の目で選手をチェックするために、基本的にはクラブユースとかインターハイの時期をチームのオフにあてていました。チームが休みの日にはU-18のプレミアリーグやプリンスリーグなども観に行きますね。普段から選手たちに「ハードワークしろ!」って言っているのに、自分自身がハードワークしていなかったら示しがつかないですからね(笑)。スカウティングなど、ピッチ外の部分に関しても時間は相当使っていると思います。

ーー昨年は新型コロナ感染拡大の影響で、今までとは違ったシーズンだったと思いますが、選手たちに変わった面など感じられるところはあったでしょうか?

 そうですね、選手たちには「生きていくうえで困難なことはいくつでも出会うことがある」と話しています。そういった状況下で「何ができるのかを考えることが大切なんだよ」とも。ですので、自粛期間中は、オンラインでいろいろな人たちとミーティングをしてみたり。卒業生にJリーガーもいますし、サッカー関係者の方々、サッカーとは全く関係のない方々も含めて「今は人間力を向上させる時間だ」と考えて、週3日くらいチームミーティングをしていましたね。サッカーへの取り組み方が変わったり、人間として成長することが出来たり、おかげで内面を磨くことができたと思います。今までは当たり前にサッカーができていたけれど、突然サッカーができないという環境に置かれた中で、自分に取ってどれだけサッカーが大切なものなのか、どれだけサッカーを愛しているかということを再確認できたんじゃないかなと思います。そういう意味では「悪いことだけじゃなかったのかな」と、ポジティブに捉えています。

(取材=高校サッカードットコム編集部)