コンサドーレ札幌内定のFW小柏剛(写真提供=明治大学サッカー部)

 2018年度は8名、2019年度は9名、そして2020年度は12名がプロ入りするなど近年の大学サッカー界をリードする存在である明治大学サッカー部。圧倒的な成績を出すことでチームにおいて“最強”の名を欲しいままにしている。創部100周年を迎える今シーズンは、どんなことを目標にしているのか? 昨シーズンの振り返りなどを含めて、栗田大輔監督に話をうかがった。

ーーチームの部員数やカテゴリーなどは現在どのような形なのでしょうか?

 部員数は昨年だと56名で、例年だいたい60名前後です。とくに制限をしているわけではないのですが、だいたい1学年15名くらいです。スポーツ推薦で入部してくる選手と、一般の学生で入部してくる選手がいますが、一般の学生でも「技術的な面でセレクションで入ってきた選手たちについていくことができるのか」という尺度があるのと、仮に「技術的な面で不足する部分があっても4年間の中で、部に影響を与え続けられるか」という尺度が大事です。「プロになる」ということが大切なのではなくて、4年間で人間的にもサッカーのレベルにしても、徹底的に成長しようという組織なので、極端な話、「1日だけのノリ」というものではなく、4年間追求し続けることができる強い意志や、明治大学サッカー部の理念やポリシーにしっかりと向き合える人材でないと受け入れていません。いま大学の中でも、同好会やサークルなどサッカーができる環境は多いですし、社会人チームもある中で、「なぜ明治大学体育会サッカー部を選んだのか」ということが明確にできる人でないと4年間続かないと思います。

 カテゴリーはトップチームとセカンドチームという2チーム構成ですね。1週間に1度入れ替えがあるので、悪ければすぐにトップチームからセカンドチームに落ちます。他の大学の中には、セカンドチームはセカンドチームのための大会に出るということもありますが、ウチの場合は、「60名全員がトップチームのリーグ戦に出るということ」を目標にしています。そこは他の大学と違うところだと思います。去年は、セカンドチームが中心となって戦うインディペンデンスリーグで全国優勝しましたけど、トップチームで活動できていないので、選手は満足していないです。優勝したことは評価できますけれども。

ーー選手のスカウティングやセレクションの際は、どういった点を重要視しますか?

 もちろんサッカー部として「一緒にやりたいな」と思う選手をまずは見るということはあります。他にも「性格面など内面も明治大学サッカー部の理念やポリシーに向き合えるのかどうか」というところを重視しますね。あとはもちろん「本人がやりたいと思っているのかどうかという部分が見えるか」という所ですね。所属しているチームの監督さんや関係者の方などから情報をいただいたり、練習中の態度、話を聞いている時の態度、受け答えや顔つき、目つきなど、細かい部分もチェックしています。

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