アスルクラロ沼津加入内定の飯塚高 川前陽斗(取材協力・写真=飯塚高校)

 アスルクラロ沼津は15日、飯塚高DF川前陽斗(3年)の来季からの加入内定を発表した。発表に合わせて、のがみプレジデントホテル(飯塚市)で会見を行い、川前と中辻喜敬監督、沼津の強化担当を務める玉手淳一氏が会見に出席。川前は、「プロサッカー選手として、このチームでスタートできるのを嬉しく思います。自分に関わってくれた全ての方々にピッチで活躍する姿を見てもらい、恩返しがしたい。少しでも早く試合に出て、チームに貢献できるよう頑張りますので、応援よろしくお願いします」と意気込みを口にした。

 松本山雅FCへと進んだMF村越凱光に続き、飯塚から2年連続でのJリーガーが生まれた。佐賀県出身の川前は、中辻監督が「ポテンシャルが本当に高い。我々の想像を超えるとんでもないスーパープレーができる。Jからスタートし、日本のワールドカップ優勝に貢献できる選手になって欲しい」と期待を寄せる実力の持ち主。182cmの大型ながらも身のこなしが軽く、左右両足でボールを扱える点も強みだ。

 中学時代は、セレッソ大阪やサガン鳥栖でプレーした父・力也氏が指導するVALENTIAに所属した。中学3年生の時に、初めてプレーを目にした中辻監督は、「彼が発する言葉やプレーから、プロに行くのは当たり前なんだという印象を持った」。サッカー部への入部式で行う将来叶えたい夢や目標を語った際には、「将来必ずプロになる」と発言したという。元々はアタッカーだったが、守備意識を高めるために、入学1年目の夏にDFへとコンバート。守備の楽しみに気付いた川前は新たなポジションを自らの物にし、右肩上がりでの成長を続けた。苦手としていた左足でのプレーも磨き、出場機会を伸ばすと、2年目の夏にはJクラブへの練習参加を経験した。

 今年に入ってから、彼の動向を追い掛けていた沼津は、選手権予選が終わった11月末に初めて練習参加に招待。プロ選手に混じっても見劣りしないプレーの質と、右利きながら遜色なく左足を扱え、左SBとCBでプレーできる点が評価された。玉手氏は、「タッチが柔らかくボールを前につけたり、運べる。J3の中でも判断は、優れていたため、練習参加後にすぐオファーを出させてもらった」と口にする。「チームの雰囲気が良かった。自分の課題が見つけられるし、良さも引き出せると感じた。このチームで経験を積んで、後々は世界で活躍できる選手になりたい」と話す川前は、迷うことなく、沼津入りを決断した。

 中辻監督がポテンシャルの高さと共に評価するのは、性格面だ。プロのスカウトが視察に訪れても、動じることがない。加えて、大学生やプレミアリーグ勢のチームと対戦した際にはいつも以上の力を発揮できる。高校に入ってからは、壁に当たる度に新たな武器を身につけ、逞しさを増していったのも特筆すべき点と言えるだろう。プロの世界で揉まれれば、より高く飛躍を遂げる可能性は十分ある。1年目から、チームに欠かせない選手として活躍してくれることを期待したい。

(文=森田将義)

【川前 陽斗】(Haruto KAWAMAE)
■ポジション:DF
■出身地:佐賀県
■生年月日:2002年4月14日(18歳)
■身長/体重:182cm / 70kg