FW高尾流星(写真=森田将義)

 ガイナーレ鳥取は21日、飯塚に所属するFW高尾流星(3年)が、来季から加入すると発表した。今年のインターハイで全国大会初出場を果たした飯塚から、プロに行く選手はMF村越凱光(松本山雅FC)、DF川前陽斗(アスルクラロ沼津)に続いて、3年連続となった。

 高尾は宮崎県のヴェントノーバFC出身。中学を卒業するタイミングで、Jリーグのアカデミーからもオファーを貰ったが、急成長を遂げている飯塚のサッカーに心を惹かれ、入学を決めた。持ち味である推進力溢れるドリブルからのシュートは入学当初から評価され、1年生の秋には全国の強豪が集まるフェスティバルで活躍し、MVPを獲得。以降は、DF裏への抜け出しやヘディングにも磨きをかけ、Jクラブからも注目を集める選手へと成長していった。

 最終学年を迎えた今年は2月から怪我が続き、満足なプレーが出来ずにいた。インターハイ予選では初の全国大会出場に貢献するプレーを披露したが、8月の全国大会では無得点。それでも、潜在能力を高く評価する鳥取が9月中旬に練習参加へと招いた。3日間の練習参加について、本人は「本当に全く出来ていないような状況だった」と振り返るが、金鐘成監督を始めとしたチームスタッフは高く評価。9月末には2度目の練習参加へと呼ばれ、徳島ヴォルティスとのエリートリーグにも出場した。決定機を作りながら、無得点に終わったが、「プロ相手でも、シュートチャンスは作れた。ゴールへの感覚、嗅覚がプロの中でも通用するんだと思いました」と話す通り、収穫は十分。2度の練習参加でのプレーが評価され、プロ契約へと話が進んだ。目標としていたプロ入りを掴んだ高尾は、今の気持ちについて、こう話す。「今年はずっと怪我していて、なかなか練習参加も行けなくて、(プロ入りを)どうしようかなって悩んでいました。まずは素直に嬉しい気持ちと、安心してる気持ちがあります」。

 練習参加した際に印象を受けたのは、MF秋山大地。共に指導を受けた藤野英明フィジカルコーチについて、インターハイでのプレーについてなど積極的にコミュニケーションを取ってくれたのが嬉しく、「大地君のような人間味に溢れた人がプロになるんだって思いました」。また練習後には選手全員が必ず自主練に励む姿も目に焼き付いた。そうしたサッカーと真剣に向き合う先輩たちの姿を目の当たりにした高尾も、サッカーに対する姿勢が格段に高まったという。今は怪我もあり、同じようなトレーニングができないため、怪我をしない身体を目指すために今まで以上に入念なストレッチを行うようになった。

 「FWなので点を決めることが1番。チームを勝たせられるような点を獲れる選手になりたい。1年目から活躍する自信はあります」。得点への貪欲さや、シュートに一喜一憂する姿を見ていると、これほどまでにストライカーというポジションが似合う選手はなかなかないない。来年度から、鳥取の地でどんな活躍をしてくれるのか今から楽しみだ。

【高尾流星】
■ポジション
FW

■経歴
ヴェントノーバFC U-15 → 飯塚

■プロフィール
生年月日:2003年11月20日

■身長/体重
177cm/ 69kg

(文・写真=森田将義)