左から杉野和矢、諏訪悠磨、高山龍

　ＪクラブＳＣ相模原と海外サッカー留学大手のユーロプラスがタッグを組み2019年4月からスタートしたSC相模原プロフォーマンスフットボールカレッジ。現在はＳＣ相模原のU21として活動しており単年制の超実戦型サッカーカレッジとして、日々プロサッカー選手になるべく、サッカートレーニングはもちろんのこと座学講座や海外生活に備えて英会話などの授業が行われ選手のプロサッカー選手までの道のりをサポートしている。Jクラブとサッカーエージョントのコラボという、国内にも例のないカレッジに通う選手たちはどのように変化していきプロ選手を目指しているのか３選手に話を聞いた。

――SC相模原プロフォーマンス・フットボールカレッジに入学して感じたことは？
杉野：入学してみて感じたことでいうと、世の中に海外へ挑戦したい選手はたくさんいると思うけど、自分ひとりで得られる知識は限りがあると思います。エージェントのユーロプラスがサポートしているので、授業を通して新鮮な情報を聞けることが多いしヨーロッパ、アジアとかなんとなく海外っていうざっくりの情報ではなく、どれくらいのレベルでどうやっていきたいか、自分にあったプランを明確に考えることができるのがこの場所のいいところかなって思います。

諏訪：確かに自分で調べると、その情報がいつの記事かわからないことが多よね。変化の早い時代だからもう今は状況が変わっていることも多いし、今のサッカーの流れを知っている人から聞かないと、本当に気がついたら変わっちゃってました。なんてこともありえます。あの国は給料が出ないとか、ビザが降りないとかね。

高山：うん。ここに来て初めて知ったこと多いなぁ。。。「ゆるトレ」とか「サッカーIQ」とかコンディションもそうだけど、僕はペルーの環境でサッカーやってたので、とにかくみんなで上がってみんなで下がる。体の強さとかそう言う問題だったんですけど、ここでサッカーIQとかポジションとか自分の役割はなんなのかとか、学んできましたね。

諏訪：それと、ここは変わった奴が多いなって思う（笑）変な奴はいないけど、大学では会えない奴がいっぱいいるのがここかな。（笑）やっぱり普通の大学とかだと、普通の人と言うか。ここはサッカーに本気の人たちばかりだよね。

杉野：正直この年までサッカーとか、ひとつのもので上を目指しているやつは、変わった奴というか芯がある人が多いと思います。イメージだけど普通の大学生って、４年間通って将来どうしようかな〜みたいに自分の未来をぼんやりビジョン描いて、４年後何かあるかなーって考えている人が多い気がするけど、ここは１年制と決まっているし、短期間で結果出して決めなければいけない分、将来をしっかり考えて成果を求めている人ばかりだし、その貪欲な気持ちは、サッカー選手にとって大事だよね。

サッカーに関して良い意味で貪欲な選手が本当に多いです。自分を売るって言う意味ではこの貪欲さはいいと思うし。やっぱ貪欲じゃないと、目立たないから、いいと思います。ここでリアルを見て頑張れない人は、抜けちゃう人もいたけど、ここでは競争できるし、少数だからこそ全員が頑張るよね。いいことがたくさんあります。

初めて一人暮らしする人もいるし、地方から来た選手もいて、本当に面白いです。当たり前だけど、毎日顔合わせて色々と知ることができます。先にアジア挑戦するメンバーから航空券の買い方とか、トライアルの仕方とか細かな部分などを含めた情報をすぐ得られるのはすごくいいですね。

諏訪：濃いよね。この一年。笑　なんだこいつ？みたいなやつもいるしね (チームメイトの)リュウセイは最近自分にちょっと自信がついたと言ってました。環境に巻き込まれることが多いけど、周りが意識高いと、自然と伸びていくし、個性が発揮されます。情報とか練習とかやっぱ質高いと、慣れていくし、頭の中から変わっていくと、全員が自信ついていきますね。

杉野：少数で１年間一緒にやっているから、入学当初のお互いの入学当初を知ってます。これまでポジションをコンバートした選手とか、どれくらい成長したかとか、全部お互い見てますね。それをお互いに伝えあえるのも良いところです。ボール奪えるようになったなとか、ドリブル上手くなったなとか。会話の中でも、上手くなったねとか認め合えるのがいいと思います。

高校の部活とかだと、やっぱり本気じゃないやつもいたり、学業もあるけど、俺らはトレーニングも授業も全てサッカーの為だし、サッカーに費やしている時間も多いし、共通の話題もサッカーだから必然的に向上していくよね

――トレーニングなどサッカーについてはどうですか？
杉野：練習試合などで入学当初より劇的に勝利が増えたかというとそうではないかもしれないけど、毎試合毎試合、全員が個人として確実に良くなっているのは実感しましたね。

諏訪：サッカーのIQとか頭の使い方の部分とかも、インプット、アウトプットを同じ指導者がみてくれるのはとても大きいですね。最近はYouTubeとかで、分析や解析の動画もあって、たくさんの人が見ることができます。それを見て練習で実戦して、指導を受けられる環境は凄くいい環境だと思います。プレーしながら、自分でアップデートして行ける環境は本当にここのいいところだと思いますね！

高山：僕も同意見ですね。良い指導者がしっかり指導してくれるという部分が大きいですね。これまでこうやって指導を受けたことも少ないし、ここで学んで、成長して、最初は本当に下手くそだったけど（笑）今もまだまだですけど、最初より、上達したと実感できてます。フィジカル的にも最初は本当に走れなかったし、プレーの選択肢もシュートっていう選択肢を選ぶことが少なかったのですが、こんなこともできるっていう気づきもありました。一番は、自分の特徴がわかりませんでしたが、ここなら勝てる！というところを見つけられましたね。周りにそういうのを言ってくれる人がいるのがいいですね。

杉野：練習や試合とかでみんなで話をする機会も多く、練習後の個人練習でも、例えば１vs１の練習をしていて、こういう時にこうやったらいいよねとか、こうやったら簡単に抜かれちゃうとか。お互いのベクトルが同じだからお互いに成長しようと言い合うことができます。

高山：今ではみんなのおかげでフィジカルとスピードっていうものが自分のストロングポイントと信じて頑張れていると思います。

――ライバルでありながら、お互い高め合ういい関係を築けている理由は？
杉野：学校と違って、実際のところサッカーの為にお金支払って、交通費もかかるし、そこまでしてでもプロになりたいと強い意思を持って入ってきている集団がこのチームだと思っています。それだけプロになるという夢を叶えたいと思っているし、サッカーにかけているところからも、モチベーションや意思が強いのはある種当然ですね。他の進路を残して、中途半端にトライしているメンバーはいないし、ぼんやりしてなんとなく生活しているメンバーはいません。

諏訪：みんながサッカー選手になるっていう目標があるから言い合えるし、ぶれていないのですけど、どんなサッカー選手になりたいか？というのは選手によって違いますよね。お金が欲しいとか、代表になりたいとか、ヨーロッパにいきたいとか、「プロ」っていうのは同じだけど、目標が違ったりします。１年制でもあるのでチームとしての目標よりも個人の目標が強いから、大学とか高校の”チーム”とは違いますよね。勝利も大切なのですけど、チームの団結力っていう意味では、ちょっと薄いかもしれない。
難しいよねー。笑　個人的なスキルアップが凄く大切になるし、やっぱり馴れ合いの場所じゃないし、プロになるって本当に狭いからね。

――最後に今後の目標をお願いします

杉野：僕はこの冬にアジアのトライアルに挑戦するので、まずはチームと契約が目標です。 まだ、自分のレベルとかアジアでどこまで通用するのか分からないから、自分が実際給料いくらもらえるのか？どこまで進めるのか？もまだ分からないけど、それ（給料）って自分の評価になるし。まずは、数年で評価を高めて、サッカーで生活できるようになって、自分はサッカー選手だと言えるようになりたいです。

諏訪：僕はステップアップを大切にしています。どの国からどうやっていくか、ビジョンは持ててきたけど、やっぱり不安でもあるし。自分はまずヨーロッパでプレーすることを目指しています。そこで個人のステップアップを目指したいと思っています。最終的に代表に入りたい。代表戦を見ていてもこの場でやりたい！と思えるし、でもその道がまだ遠いから”夢”という状態だけど、ひとつずつステップアップして、夢をリアルにして、プロセスを踏んで行きたいです。

高山：僕もステップアップがみえる国に行きたいと思っています。チームを見つけてプロになって終わりじゃなくてプロになってからが勝負だと思っています。みんなに認められないといけないし、プロになってお金を稼いでたくさんの人に恩返しをしていきたいです。何をするにもプロにならないことには始まらないので、しっかりとアピールして、まずはプロ契約を取りにいきたいと思っています。

▽杉野和矢（スギノ カズヤ）
生年月日：1999年7月1日
ポジション：CB
出身高校：第一学院高校

▽諏訪悠磨（スワ ユウマ）
生年月日：2000年8月29日
ポジション：MF
出身高校：実践学園

▽高山龍（タカヤマ リュウ）
生年月日：2000年4月18日
ポジション：FW
出身高校：ＡＥＬＵ（ペルー）