対する今治東は、時間の経過と共に思い切りの良いプレーと特徴であるパス回しが増加。大谷は「ズルズル引いて自分たちのサッカーが出来ずに終わっては意味がない。自分たちがやってきたことを全国のピッチで見せるのを目標にしていた。前がかりなプレスに相手がハマって、チャンスを作れた」と振り返る。36分には、中央でボールを持ったMF7岡本 航汰(3年)のスルーパスからFW9髙瀬 太聖(3年)が右サイドを突破。ゴール前に鋭いパスを送ったが、飛び込んだFW10山中 建斗(3年)とわずかに合わず。大谷は「あそこで決められていたら流れが変わったと思う」と悔やんだ。

 先制点を奪ってからは今治東の攻撃を受ける時間が続いた静岡学園だったが、後半は松村と小山がサイドを仕掛ける回数が増加。今治東の運動量が低下したのも相まって、押し気味でゲームを進めた。後半7分には左クロスのこぼれ球を小山がPA手前で回収すると、ドリブルで3人をかわしてPA左からシュート。この一撃がゴール右隅に決まり、今治東を突き放した。34分には左サイドからのボールを中央で受けた小山が、浮き球でゴールを狙ったものの、シュートは惜しくもゴールマウスの右上。そのまま2-0で試合を終え、1試合3得点の目標は果たせなかったが、改めて静岡学園の攻撃力の高さを実感するゲームとなった。

(文・写真=森田将義)

▽第98回全国高校サッカー選手権
第98回全国高校サッカー選手権