FW葛岡孝大の活躍で市船撃破(写真=小室功)

  1月5日、第99回全国高校サッカー選手権の準々決勝が行われ、千葉県のフクダ電子アリーナの第2試合では帝京長岡市立船橋と対戦。序盤からアグレッシブな守備と斬れ味鋭いショートカウンターで主導権を握ると、26分にFW葛岡孝大(3年)、30分に上野一心(3年)が立て続けにゴールを決めた。以降も優位に進め、相手の反撃を終了間際に返されたゴールのみに抑えて2年連続のベスト4入りを決めた。

 この日の帝京長岡は前の試合で負傷した10番の石原波輝(3年)を欠く布陣。そうしたチームの危機を救ったのが、11番を背負う葛岡だった。

 序盤から豊富な運動量で相手DFを追い回すと、攻撃では裏抜けなどでチャンスに絡む。迎えた26分には上野のスルーパスに反応。「前向きでドリブルをした瞬間に自分の身体の向きを変え、前向きでパスを受けられるようにした」と本人が振り返ったように、狡猾な動きで抜け出してGKとの1対1を制してチームに貴重な先制点をもたらした。4分後にも右サイドで起点となり、上野の2点目を演出。全得点に絡む活躍でチームの4強入りに大きく貢献した。

 試合後、「相手が市立船橋ということで先制点が大事だった。自分が決められて良かったです」と話した葛岡。負傷欠場した石原をもう一度ピッチに立たせたい--。そうした想いもあり、今日の活躍を素直に喜んだ。

「3回戦後にトレーナーから出場が厳しいと言われ、石原も苦しかったと思うけど、僕やチームメイトに声をかけてくれていた。石原のためにも次のステージに行かないといけない。その想いを準々決勝で見せられたと思う」

 次の相手は山梨学院高等学校。準々決勝の市立船橋同様に堅守を武器に持つチームで、攻撃陣の活躍が試合のキーを握る。石原の出場可否は現時点で分からないが、葛岡は仲間の想いを背負い、チームを初の決勝進出に導くゴールを目指す。

▽第99回全国高校サッカー選手権
第99回全国高校サッカー選手権