「NEXT GENERATION MATCH」に引き続き、デンソーカップでも日本高校選抜チームを率いることとなった蒲原晶昭監督(佐賀東高)に、試合後の感想や日本高校選抜チームがデンソーカップに参戦することの意義などについて話をうかがった。

ーー初日の試合を終えられての感想はいかがでしょうか?

 まず今回はデンソーカップに初参戦させていただけたという機会をいただいて本当に感謝しています。大学生の地域選抜チームという、とてもレベルの高い大会なんですけれども、高校選抜としてしっかり頑張ってくれたなと思っています。結果は3-4の敗戦ということで悔しい思いはあるんですけれども果敢にチャレンジして3点奪うことができて本当に頑張ってくれたなと思っています。

ーーどういったところが大学生相手にも通用したと思われますか?

 球際の部分も含めて、全体的に戦えたところがありましたし、いい崩しの中でクロスから得点を奪えた場面など、やろうとしていたことが随所に出せたなと思っています。

ーー次戦に向けて改善すべき点などはどんなところだと感じられていますでしょうか?

 やはり4失点していますので、「どうして点を取られたのか?」という部分をもう一度しっかり確認したいと思っています。取られ方が悪かった部分もありますし、もう少し辛抱しないといけないところもあったりしましたし、そういうところはしっかり準備をしたいと思っています。

ーー大学生との差を感じさせないようなゲームはできたのではないでしょうか?

 過去にも経験がなかったですし、やってみないとわからない部分は大きかったんですけれども、選手たちは試合の入り方にしても「相手が大学生だろうと誰であろうと関係ない」と考えてくれていたものですから、立ち上がりから「これは結構やってくれるのではなかろうか」ということは感じました。

ーー2月の「NEXT GENERATION MATCH」では思うように体が動けていなかったような選手もいたような印象を受けたのですが、今大会に向けてはどうだったでしょうか?

 昨日(3月2日)も雨で練習が少ししかできなかったんですけれども、「NEXT GENERATION MATCH」の後に選手たちには「デンソーカップでは“初日はまずコンディション調整”なんて余裕はないよ」という話をしていました。全員が意識の高い選手の集まりだと感じています。

ーー海外遠征が中止になって、デンソーカップに日本高校選抜が挑む意義というのはどのように感じられていますか?

 選手含めて、海外(ドイツ)の大会は本当に楽しみにしていたんですけれども、中止になってしまったことで残念な気持ちでいっぱいでした。さらに「静岡県ヤングサッカーフェスティバル」も中止が決定し「選手たちのモチベーションを上げるにはどうしたらいいのか?」と考えていたところ、関係各位の方々からデンソーカップ参戦の提案をしていただいたときには、レベルの高い相手と試合ができるということで、選手たちのモチベーションも上がりました。

 相手は格上ですが、選手たちには「全国の高校の選抜チームだ」という思いを強く意識してくれているものですから、相手が大学生であろうとチャンピオンになろうと思っていました。デンソーカップに参加させていただいたということは、高校サッカー界においても本当にありがたいことでしたから、来年以降もこういう機会を続けていければ、高校生たちにとっても素晴らしい大会になるなと感じています。

 いい試合をやって「高校選抜が参加しても大丈夫だな」と思ってもらうのも我々の結果にかかっていると思っていますから、そういった面も含めて次戦もしっかり頑張りたいなと思っています。

ーー福田師王選手(神村学園1年)も荒井悠汰(昌平高1年)も1年生ながら素晴らしい活躍だったと思いますが?

 彼らにとって、「1年生だから」ということは関係ないように思います。あまり気にしていないと思いますね。本当に堂々としています。

ーー熊倉選手(匠=山梨学院3年)は今回はケガということでしょうか?

 そうですね、今回は残念ながらケガということで。ですが熊倉は「NEXT GENERATION MATCH」からキャプテンに指名しているんです。本人から「試合には出られないのですがチームサポートとしてでも参加したい」という話もありましたので、今日の試合後の、次戦に向けての選手間ミーティングも含めて熊倉がしっかりと動いてくれています。そういう面においてもチームに欠かせない選手になっているなと思っています。