青森山田黒田剛監督(写真=矢島公彦)

 全国高等学校サッカー選手権大会3年連続決勝進出、高円宮杯 JFA U-18 サッカープレミアリーグEAST 2019優勝と、高校年代のチームとして屈指の実力を誇る青森山田高校。今シーズンのプレミアリーグ開幕戦を快勝で飾った青森山田の黒田監督を試合後にインタビュー。ゲームの内容や選手について話をうかがった。

ーー開幕戦という難しさのある中の試合としてはかなり良かったと思いますが全体的な印象はいかがだったでしょうか?

 過去10年のプレミアリーグを振り返ってみると、1節目で負けたゲームって2戦あって、そのときは優勝できていないこともあって、開幕ゲームはすごく重要だと捉えているのと、相手のデータも少なく不安だったりいろいろな思いが錯綜する中で、冬場を通して積み上げてきたもの、3月の遠征で積み上げてきたものや修正してきたものがどれくらい出せるかというところで、まずは100%やってみて、そこでダメな部分を2節目、3節目で少しずつ修正していこうと。今日のゲームは、まず後ろはゼロで抑えようと言っていました。そのために「こうしよう、ああしよう」などかなりやってきたので、それが結果として出せたのは明るい材料ではありますすね。

 90分ゲームはやっていなかったので、前後半における「ラスト5分」というのがどう影響してくるかという部分も未知数だったのですが、その部分では最後まで集中力を切らさないでやってくれたという印象です。

ーー後ろが全員入れ替わった中で、無失点を達成できたことについての手応えはいかがでしょうか?

 今日は相手が1トップだったので、2トップだったら少しバタバタするような状況が出てきたかもしれませんが、ウチとしてはやり易い配置だったと思います。ただ、どんな攻撃が来ようと対応できるようにしないといけないと思っています。今日も背後を取られた場面もあったし、後ろ向きでボールを持っていたときに奪われたこともあったので。ただそういったところは試合をしてやられてみないとわからない部分でもあるので、そこはきっちり修正したいと思います。

ーーFW渡邊星来選手やMF田澤夢積選手といったムードメーカー的な選手が点を取ったことはチームにとっても良かったと思うのですが?

 そうですね。ただ(渡邊)星来はもう1点くらい取れるチャンスはあったし、田澤は(欠場の)小原由敬の代役として連れてきているので、タテの勝負というところではまだまだな部分もあ理ましたけど、でもそういう中で、きっちり1本コースに決めたというのはすごく大きかったと思いますし、本人も良かったと思っていると思います。

ーーなかなか90分ゲームができないとか、雪で練習面にも難しさがある中での開幕戦としてはインパクトのある試合だったと思いますが?

  我々が雪の中でできることと言えば、スピードを磨いたり、インテンシティを高めたり、球際で負けないとか、両チームともに平等に与えられている場面、競争する場面では圧倒的に上回っていかないといけないと思っています。冬場の1、2か月は自分たちの“鍛錬期間”として、割り切ってやっています。ここで負けるわけにはいかないので。。

ーー今年はどういったチームになっていきそうですか?

 まだ1試合なので何とも言えないのですが、いろいろな遠征を通じてJリーグのユースとも試合をさせていただいた中で、かつては最後の部分で勝負に徹せず、ロングスローとかやってしまって失点してしまったこともありました。そういう失敗を経験してきて、誰からの指示もない中で、今日は最後にしっかりボールキープしていたのは良かったと思います。これから映像などを見ながらしっかりと分析して、次は2節目、3節目とホームでの試合が続くので、そこで連勝できるように頑張りたいと思います。

ーー監督から見てFW渡邊星来選手とはどんなプレーヤーでしょうか?

 シュートはけっこう思い切りがいいので、ポストプレーをFW名須川真光がやってくれる分、ゴール前に入ってくることとかFW名須川より早く動けると思うので、彼自身その部分の意識付けというか、上手く反応できれば今日のような点を取れるプレーができると思いますし、2点目のシーンもゴール前で落ち着いて相手をかわしてシュートを打ったり、ああいうところは成長しているなと思いました。遠征中は「ブワーっと」ふかしたこともありましたし、いろいろと修正を重ねながら次の試合もシュートの場面で期待したいと思います。

ーーまだ1勝ですけど、少しホッとした部分もありますか?

 そうですね、ここ数日、緊張感やずっとキリキリと胃が痛かったですが(笑)。(4月3日に開催された)横浜FCユース対柏レイソルU-18の試合も観に行きましたけど、クオリティの高い試合でしたし、あの中で我々がどこまでやれるか不安や未知数なところがありますが、それを楽しみながら、やってきたこと、積み上げてきたことをしっかり出し切りたいと思っています。そしていろいろな局面でのクオリティや精度は試合ごとに上積みしていけると思っています。

ーー4-0と快勝した中で、まだ2点、3点取れた印象もあったのですが?

 そういうところでしっかり決めないと、1点を争う攻防となったときには、(失敗した)PKとかそういうところがアダとなってくるので、チームとして「完全なダメ押し」ができるチーム、そういうメンタルにならないといけないと思っています。「4点取っているからいいだろう」ではなく「何が何でも次のチャンスは決めないとダメだ」というところは選手たちにもこだわらせていきたいと思っています。

▽高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2021 EAST
高円宮杯 JFA U−18サッカープレミアリーグ2021 EAST