履正社イレブン

 4月18日から各地で開催される2021年度 令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)大阪予選。この大会で決勝に進出した2チームが全国大会に出場できる。ベスト4に進出した4チームには近畿高校サッカー選手権大会の参加資格が与えられる。このインターハイ大阪予選の展望だが、2枠を争うのはやはり、5回戦シードのプリンスリーグ関西に所属する7チーム履正社阪南大高興國金光大阪大阪桐蔭東海大仰星大阪産大附が中心になるだろう。プリンスリーグ関西は4月4日に開幕しており、ここから5回戦が行われる5月23日まで、リーグ戦で実戦をこなす事でチーム力を上げてくるだろう。

 昨年度選手権大阪予選王者の履正社は今年のチームも強度の高さは健在。昨年の選手権全国大会も経験しているMF竹腰智也がチームの中心。そして2トップのFW廣野大河とFW宮路峻輔が前線で起点となりゴールを狙う。サイドからSB西坂斗和が持ち前のスピードを活かして攻撃に絡む形も今年の履正社の強みだ。しかし、昨年のチームが3年生中心だったこともありチームの成熟度はまだ高くはない。この一発勝負のインターハイ予選で一戦一戦チーム力を上げていけるかが勝負となるだろう。

 5人のJリーガーが誕生した世代が卒業し、新チームは厳しい船出が予想される今年の興國。昨年はそのJリーグ内定組が揃わず苦戦したが、今年のチームはプリンスリーグやこの大会でチーム力の上積みが期待できる。中でも横浜FMに進んだ樺山から10番を受け継いだ、1年生MF宮原勇太に期待が集まる。昨年U-15日本代表にも選出された宮原はJクラブユースの誘いもありながら興國を選んだ選手。早速プリンスリーグ関西でもゴールを記録しただけに今大会でも活躍に期待したい。

 大阪桐蔭は今年も全員守備からの速く繋ぐサッカーを掲げる。プリンスリーグ関西初戦でも東海大仰星に攻め込まれながらも決定機を与えない守備ができていた。京都橘戦で2ゴールの1トップを任されるFW大野陽平やMF奥野龍登の決定力に期待がかかる。昨年、選手権大阪予選で興國を破ったようにトーナメントでも勝負強さを発揮しそうだ。

 大阪産大附はCBのDF石岡治樹とDF浦林圭祐を中心に堅い守備が期待できる。セットプレーで効率よくゴールを奪えるかもポイントになるだろう。キャプテンのMF島田賢斗を中心とした攻撃陣の奮起に期待したい。

阪南大高イレブン

 4大会連続5回目の全国大会出場を狙う阪南大高は、昨年からエースとしてチームの攻撃を引っ張ってきたFW鈴木章斗や、1年時からスタメンに名を連ねるDF西田祐悟が3年生となり、昨年関西U-16~Groeien~2020で優秀選手に選ばれ、選手権大阪予選でも1年生でCKのキッカーを務めたDF今西一志など戦力のポテンシャルは十分。あとは一発勝負で前評判通りの力を発揮できるかが鍵になりそうだ。

 昨年のスーパープリンスリーグ関西Bグループでガンバ大阪ユースを破るなど快進撃を続け優勝し、順位決定戦でセレッソ大阪U-18に惜しくも敗れ準優勝となった東海大仰星は、昨年からAチームで活躍してきたMF松名大輝を中心に、MF沖秀大やFW中務隼など今年も強力な攻撃陣を擁している。プリンスリーグでは三田学園に5-0で勝利するなど調子も上向きだ。平成29年度以来となる4回目の全国大会出場を狙う。

 そして、昨年選手権大阪予選ファイナリストで、インターハイ全国大会8回目を目指す金光大阪は今年も堅い守備は健在。ハードワークが出来る選手が揃っている。デザインされたセットプレーを武器に、一発勝負で強さを発揮するチームに仕上がりそうだ。

 そして他のチームがこのプリンス勢を相手にジャイアントキリングを起こすことが出来るかがもう一つの見どころ。プリンス勢も新チーム立ち上げから日が浅く、インターハイ予選ではまだ成熟度も高くないはず。そこに他チームも付け入る隙があるかもしれない。この大会を最後に引退する3年生も多い中、今年も一回戦から数々のドラマが生まれるだろう。昨年はコロナウイルスの影響でインターハイが中止になってしまい、引退の場所が奪われてしまった3年生も多かった。現在も大阪は予断が許されない状況だが、なんとか無事に大会が開催されることを切に願う。

(文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校総体(インターハイ)大阪予選
令和3年度全国高校総体(インターハイ)大阪予選