全国行きを決めた実践学園イレブン

 実践学園が3大会ぶり4度目のインターハイ出場を決めた。

 6月19日、令和3年度全国高校総体(インターハイ)東京予選準決勝が行われ、実践学園は全国初出場を狙う駿台学園と対戦。前半から主導権を握り、28分に相手の連携ミスを突いてオウンゴールで先制点を奪う。1-0で迎えた後半も攻勢を仕掛けるが、10分に一瞬の隙を突かれて左サイドのクロスからFW村上豪(3年)に同点ゴールを許してしまう。それでも粘り強く戦い、68分にドリブルで仕掛けたMF入江友規(3年)が左足で勝ち越し点を奪った。以降は相手に反撃を許さず、堅実な試合運びで時計の針を進めていく。すると、終了間際にはMF牧山翔汰(2年)がダメ押し点を決め、3-1で勝利を手にした。

 2017年度以来のインターハイ出場となる実践学園。今年は春先から好調を維持し、5月の関東大会予選では都大会で優勝を果たした。しかし、簡単に事は運ばない。6月上旬の令和3年度関東高校サッカー大会では初戦で前橋育英と対戦。主力組が欠場した相手に対し、1-4でまさかの大敗を喫してしまう。

 そこからチームは難しい時を過ごした。深町公一監督は言う。

 「関東大会予選で優勝したので、関東大会の経験を生かしてもう一つステップアップをする。選手にもその想いはあった。しかし、(インターハイ予選の)準々決勝後の1週間は受け身になってしまって積極性がかけていた。このチームの良さは積極的に前に出たり、縦に速い攻撃をすること。それがうまく出せていなかった」

【フォトギャラリー】 駿台学園 vs 実践学園

 実際にチームも早稲田実との準々決勝を終えた後、とても全国大会出場が決まる一戦に挑むような雰囲気ではなかったという。そこで指揮官はキャプテンのCB土方飛人(3年)を呼び、「インターハイ出場の意味をもう一度確認しよう」と伝えた。

 土方自身も気が付いていなかったチームの慢心。深町監督に言われ、チームの雰囲気は引き締まった。「ある程度の緊張感はあったけど、どこか物足りない雰囲気があったと思う。やり切れたかは分からないけど、(指摘されたことで)良い緊張感を持って準決勝を迎えられた」(土方)。

 迎えた準決勝は粘る相手に苦戦を強いられながらも、後半にゴールを重ねて勝利。自分たちの力で全国大会に挑む権利を掴んだ。全国大会まで約2ヶ月。今回の経験を活かし、本大会での飛躍を誓う。

▽令和3年度全国高校総体(インターハイ)東京予選
令和3年度全国高校総体(インターハイ)東京予選