流通経済大柏・榎本雅大監督

 本田裕一郎前監督から名門流通経済大柏を引き継ぎ、いいところを残しながら新しい流経の形を作り出し、令和3年度全国高校総体(インターハイ)千葉予選で見事に優勝を果たした榎本雅大監督に決勝暁星国際戦(6-0で勝利)後にお話を伺った。

ーー今大会を振り返っていただけますでしょうか?

 プレミアでもそうなんですが、大会を通してゲームのリーダーというか、そういう選手が「ゲーム中に今どういう試合になっているかを自分たちで掴む」というのをテーマにしてまして、こちらは「今日は風強いけどどする?」みたいな問いだけをして、あとは選手が自分たちで答えを出してくれたっていうのが成長したと思います。そこが今大会の手応えです。

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ーーご自身が監督になってから初めての全国ですが?

 本当にプレッシャーでしたよ。何言われるかわからないから(笑)。ただこれは去年から自分が表現したかった事。流経のやり方、良いところは残しながら新しいことをやっていくっていうことで、ずっとそれは続けているので、レンガも段々と積み上がってきたかなとは思います。

ーー新しいこととは具体的にどんなことですか?

 「プレイヤーズファースト」といっていて、選手がどういう風に判断するかが凄く大事。なので今チームの役割でどういう風に動いたらいいのか、どういうプレーをした方がいいのかっていうのを自分で構築していくって事です。「あなたはこれをやりなさい」ではなくて状況によって判断するって事ですね。

ーー監督からみて今年のチームはどういうチームですか?

 真面目です。真面目な分パンチがないところはあります。(プレミアリーグでの)青森山田との試合でもそうだったんですけど、もうちょっとヤンチャな部分だったり、負けず嫌いな部分だったりが出てくればいいかなと思っています。そこが出てこないとトップには行けないですよね。

ーー今大会は無失点でしたが守備の面ではどうでしたか?

 そこはシュートゼロにこだわっているので、相手のシュートがゼロなら負けない。それが一つ新しい形かなと思います。結局打たせなければよかったという事が多いんで、「ゴールさせるな」ではなくて「シュートを打たせるな」ってところまでやらないとダメだと思っています。

 (文・写真=会田健司)

▽令和3年度全国高校総体(インターハイ)千葉予選
令和3年度全国高校総体(インターハイ)千葉予選