実践学園・深町公一監督

 インターハイ出場4回、選手権出場3回の実績を誇る実践学園。チームの主軸である3年生の選手たちは入学当初から「全国ベスト4」を目標に掲げており、まずはその目標を叶えるべく、令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選を制した。そんな東京屈指の強豪チームを率いる深町公一監督に、インターハイ出場を決めた東京予選準決勝終了後に話を聞いた。

ーーFW牧山選手が最後にしっかりダメ押しして試合を決めましたが?

 コロナの関係で昨年から3年生だけのカテゴリーでやっていて、2年生に何か起こったとしても3年生は動けるという形で、3年生だけで組んでいたんですね。でも、その中で2年生で伸びてきた子がいるので、準々決勝と準決勝で少しずつチャンスを与えたら、2試合目でしっかり結果を出してくれました。基本的にはウチは3年生のチームなんですけれども、ちょっと新しいフレッシュな子が結果を出してくれたので、これからまた楽しみだなと思います。

ーー牧山選手のゴールは落ち着いた良いゴールでしたね?

 そうですね。落ち着いていましたね。 準々決勝で本来スタメンのFWの選手が怪我をしてしまったので、次は誰を使おうか迷っていたんですね。で、今日はピッチがスリッピーだったので、ゴリゴリ系というか、体で裏に抜けていくような選手を使ったんですけど、なかなか収まらないところがあって。その点、牧山は最後もしっかり相手をかわしてシュートを打って。楽しみな選手が出てきたなと思っています。

ーーMF入江選手は準々決勝で試合に出ていなかったですけれども準決勝で起用した理由を教えていただけますでしょうか?

 入江に関しては、関東大会で起用したんですけれども、芝に合わなかったり動きが悪かったりなど、不甲斐ない結果だったので、準々決勝では外しました。今日起用した理由は、彼は高さもあるということで競り合いでポイントを作るという意図があり起用しました。それと入江は守備の意識も高いので、相手のサイドの選手に対してあの子が下がって、右はDF長友(星澄)と2人で守備的にやっていて、FW笹原(勘太郎)を左上がりみたいな形(左サイドの2トップ)でやってみようかと思っていました。結果を出してくれました。

 (関東大会東京予選の)國學院久我山戦で逆転勝ちした試合では、入江がクロスを入れてフィニッシュをしたというところで、基本的には右から左で、左のFW笹原が決めるということもありますし。今日は逆でしたが。ウチでは両サイドがキープレーヤーなので、この選手たちが機能すれば、もう少し良くなってくるのかなと思います。

ーー入江選手はカットインから左足のシュートというのは得意なんでしょうか?

 あれは得意な形ですね。右でも左でもシュートは得意です。元々はCFなので。

ーーキャプテンのDF土方(飛人)選手の存在感も抜群でしたね?

 準決勝の2、3日前が、チームの雰囲気が良くなかったんです。それで土方を呼んで「インターハイ出場を決める試合前の雰囲気ではないよね」という話をして。インターハイが持つ意味の大きさを再確認して、アドバイスをして、チームの引き締めを任せました。なので、今日のキックオフの時刻には、選手みんなが心と体の良い準備はできていたと思います。彼がいないと、このチームはなかなか厳しいかなと思いますね。

ーー土方選手は元々リーダーシップはあった選手だったのでしょうか?

 そうですね。1年生の時から、この学年の責任者的な役割をずっとやっていました。いい意味でまったくブレない子なので。

ーー関東大会では前橋育英戦でああいう負け方(1-4で敗戦)をして、そこから勝ち取った全国大会だと思いますが、改めてインターハイはどういう大会にしたいと思ってらっしゃいますでしょうか?

 選手たち自身は、とにかく局面を勝ちきれなかったと話していて。関東大会後の期間で最低限の向上をしようとトレーニングを積んできましたけれども、ウチは守るチーム、守って速攻を仕掛けるチームだと思っているので、そこをもう一度整備をしようと。全国に行くとしっかりとボールを動かしてくるチーム、ポゼッションしてくるチームもあると思うので、そういうチームに対してウチの良さを表現しながらどこまで速い攻撃で点を取れるかチャレンジして、その経験を選手権に活かしたいと思っています。

 選手たちは目標として「全国ベスト4に行きたい」ということをずっと掲げてやってきているので、まずその権利を勝ち取ったことは誉めてあげたいなと思っています。

▽令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選
令和3年度全国高校サッカーインターハイ(総体)東京予選