新潟県イレブン(写真=森田将義)

 第76回国民体育大会サッカー競技 北信越ブロック大会は、7日に長野県で大会2日目を開催。新潟県・少年男子と福井県・少年男子、富山県・少年男子と石川県・少年男子が対戦した。

 【新潟vs福井】
 この試合で「本国行きを決めるためには、北信越国体で勝たなければいけない。自分の特徴を活かしながら、仲間のプレーを活かして点を獲りたかった」と意気込むMF丸山皓己(新潟U-18)だった。序盤から、新潟は中央でボールを持てるMF五十嵐丈一郎(帝京長岡高)やMF石山青空(新潟U-18)を中心に前進し、サイドを攻略。前半10分には、ドリブルで中央仕掛けた五十嵐のパスから、丸山がゴール右隅に決めて新潟が先制した。飲水明けの24分には、MF橋本燦(帝京長岡高)のパスをFW森田翼(新潟U-18)が落とし、「来ると思ったので走り込んだ」丸山が決めた。

 「監督からはハードトランジッションといって、攻撃から守備、守備から攻撃への切り替えを速くするよう言われている」(丸山)との言葉通り、攻撃だけでなく守備も新潟の特徴。ボールを失っても、素早く高い位置で奪い返し、相手エリアでの時間を続けていく。後半も新潟のペースで試合が進み、後半18分には石山が3点目をマーク。29分と30+4分にも丸山が連続ゴールを決めて、スコアを5点まで伸ばした。

 対する福井は、我慢強い守備から大型の技巧派MF渡辺祥気(丸岡)を中心に反撃のチャンスを伺ったが、前半はシュート1本に終わるなど、思い通りの展開に持ち込めなかった。それでも、試合終盤には意地を見せる。後半35+3分に左CKを奪うと、DF南部稜介(福井工大福井)がゴール前にクロスを展開。MF奥村洋武(丸岡)がヘッドで決めて、一矢報いた。初戦を5-1で物にした新潟は8日に、本大会行きをかけて富山県・少年男子と対戦する。

富山県vs石川県(写真=森田将義)

 【富山vs石川】
試合展開を見れば、両チームに大きな差はなかったが、富山を率いた上田裕次監督が「ロングフィードや1対1で後手を踏んでしまった」と悔やんだ通り、わずかな差が勝敗となって表れた一戦だった。

 先手を奪ったのは、富山。前半4分にMF稲垣禅太郎(富山第一高)がドリブルからのシュートを決めたが、13分にはMF平良大研(星稜)のゴールで石川が同点に追いついた。そこからは、「相手が結構前から来ていたので、そこを上手く利用できれば相手が疲れるし、自分たちも苦しむことなく余裕持ってできる」(DF布施田和真、金沢U-18)と石川が少ないタッチでボールを繋いだ。また、フィジカルが強いFW山下陸と門倉主至の星稜コンビニ預けるのも有効的で、35+1分には相手DFの隙を突く形で、山下が逆転ゴールを決めた。

「早めに失点したけど、全員が焦ることなくすぐ同点に行けたのが大きかった。加えて、前半のうちに逆転できたのが、後半の良い入りに繋がった」。布施田の言葉通り、後半も前半の流れは続き、後半6分にはMF中山裕紀(星稜)がミドルシュートを叩き込み、リードを広げた。16分にはMF加藤煌晴(金沢U-18)が山下とのワンツーで左を抜けて見せ場を作るなど、攻撃の手を緩めなかったが、徐々に勢いが低下し、富山のペースに。

 24分には自陣からのフィードにDF西野貴道(不二越工)が反応。左から中に入れたボールを稲垣が合わせたが、GKに阻まれた。26分にはMF多賀滉人(富山第一)のロングシュートがバーを叩くなど、あと少しが及ばず、石川が3-1で勝利した。石川は最終日の8日に、長野県と対戦する。勝てば連勝となり、本大会行きが決まるため気合十分。布施田は「今回は来るはずだったのに急用で来られなかった選手もいる。そうした選手のためにも、全国に行きたい。今いる選手も県を代表して選手なので、本国に出て活躍したい」と意気込んだ。

(文・写真=森田将義)