高知県・少年男子vs愛媛県・少年男子(写真=森田将義)

 第76回国民体育大会サッカー競技 四国ブロック大会は8日に徳島県で最終日を開催。高知県・少年男子と愛媛県・少年男子、香川県・少年男子と徳島県・少年男子が対戦した。

【高知vs愛媛】
 序盤から主導権を握ったのは、「2連勝しているので、3連勝で勝ち切って全国に行こうと話していた」(FW髙須賀惺峯、今治U-18)という愛媛。DF渡部琉翔(愛媛U-18)とGK川越幹太(済美高)を中心に後ろでボールを動かしながら、サイドへと展開し、チャンスを伺った。13分にMF髙橋周斗(今治東中等教育学校)のボールから、MF佐伯啓太(愛媛U-18)が放ったボレーはGKに阻まれたが、27分には二度目の決定機が到来。右サイドを仕掛けたDF新田羽海(愛媛U-18)が倒され、PKを得ると、高須賀が豪快に決めて試合を動かした。

 対する高知は、初戦の徳島戦を2-0で制しながらも、2日目の香川戦は0-3。主将のMF松井貫太(高知高)は「気持ちを切り替えて勝利のために最後まで頑張ろうと話していたけど、勿体ない失点をしてしまった」と振り返る。「もっと落ち着いてボールを運んだり、ビルドアップできていれば結果は変わっていたと思う」と続けた通り、DFリーダーのDF前田成翔(明徳義塾高)を中心にボールを奪ったら、素早く前につける場面が目立ったが、思い通りにシュートまで行けない。それでも、30分には松井の右CKから前田がヘディングシュート。33分には前田が右スローのリターンをゴール前に入れて、FW門田翔平(清水ヶ丘中)がヘディングで合わせるなどした。そうした成果が実り、後半12分にはゴール前のこぼれ球をMF川村天心(高知商業高)が押し込み、同点に持ち込んだ。

 愛媛は追いつかれたものの、焦りの色は見られない。「勝ちたい気持ちがあったので追いつかれて少し焦ったけど、丁寧に自分たちのサッカーをすればあと一点は獲れると思っていた」と振り返るのは高須賀だ。実際、落ち着いたボール回しでチャンスを作り、28分にはDF芳谷絆(今治U-18)のスローインから、MF松田春文(愛媛U-18)が勝ち越し点をマーク。2-1で勝利し、首位で本国体出場を決めた。「3日間通じて苦しい試合でも勝ち切れたのが大きかった。全国でも拮抗した試合で勝ち切りたい」と高須賀は意気込んだ。

高知県・少年男子vs愛媛県・少年男子(写真=森田将義)

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【香川vs徳島】
 初戦は愛媛に0-3で敗れたものの、二日目は3-0で高知に勝利。勝った勢いそのままで試合に挑んだ香川が、開始早々に試合を動かした。前半3分にMF岡本一晟(讃岐U-18)が中央に入れたボールをFW高村恒成(讃岐U-18)が上手く処理。そのままGKとの1対1に持ち込み、香川県が均衡を崩した。そこからは、「勝つことを優先していたので、少し引き気味で無理せず試合を進めていった」(FW藤本隆之介、讃岐U-18)。徳島のキーマンであるMF柴田航次郎(徳島U-18)とMF倉貫嵐羽(讃岐U-18)がボールを持てば、前線の選手も下がって、パスコースをシャットアウト。ブロック守備から、藤本らがカウンターで力強く前方にボールを運んだが、追加点は奪えず1-0で前半を終えた。

 対する徳島は、初戦と二日目で黒星を喫したが、この試合を2点差以上で物にし、愛媛が勝利すれば、2位での本国体出場が掴める。後半残り35分で3点が必要なため、後半頭から「絶対に2点差以上で勝って、みんなと全国に行きたかった」と話すスピードスターのMF冨士村優(徳島商業高)を投入し、攻撃のギアを上げた。早速効果が表れ、後半4分には柴田のフィードから、PA左の冨士村へ。落ち着いてゴール右隅を狙ったシュートはGKの脇をすり抜けたが、カバーに入ったDFに阻まれた。21分には中央でボールを持ったMF高山椋二朗(徳島U-18)がマークを剥がして、左へ。抜け出した冨士村がゴール前に入れたボールをFW梶浦登志(池田高)が合わせたが、枠を捉えられなかった。後半のシュート数は香川が1本に対し、徳島は6本。チャンスを活かせなかった格好で、冨士村は「決める所で決めないと上には行けない」と唇をかんだ。

 試合終盤に入ってからは、香川が攻撃で無理をせず試合を進めて、そのまま1-0で勝利。愛媛に続く四国2位で本国体出場を決めた。狙うのは、初の4強入りを果たした2年前の国体の再現。藤本は「全国では自分たちらしいプレーでしっかり戦って、2年前のベスト4を超えられるよう頑張りたい」と意気込みを口にした。

(文・写真=森田将義)