個性的なチームをまとめて引っ張る金剛キャプテンFW篠崎竜也

 選手権大阪予選2回戦で高槻に9-0で大勝した金剛。「ちょっと前までベンチマナーも悪くて挨拶もちゃんと出来なかった」というヤンチャで個性的なメンバーが揃うチームを中川侑治監督が我慢強く指導してきた甲斐もあり「そこをきっちりやる事で結果も出てきた」という今年の金剛。そして監督と同じくキャプテンのFW篠崎竜也もチームをまとめるのに苦労しながら奮闘してきた一人だ。その篠崎選手に2回戦の試合後に話を聞いた。

ーーまず今日の試合を振り返ってもらえますか?

 初戦という事もあったし、コロナ(自粛期間)で2週間出来なかったのもあったんですけど、それでもチームの中で一週間で立て直して無事に初戦を突破出来ました。僕らはもっと上を目指しているので「ここで負けていられない」っていうのがあって、今まで頑張ってきたのもあるので無事勝てて良かったです。

ーー試合に向けてはどういう意気込みで入りましたか?

 試合に出れない3年生もいる中で「チーム一丸となって全員で勝ちに行こう」というのがあったので、出れないメンバーが準備やアップを手伝ってくれているので「みんなの想いを背負って」という意気込みで入りました。

ーーDFラインからもかなり積極的に攻撃参加していたのが印象的だったんですが?

 フォーメーションが4-3-3で、攻守の切り替えを大事にしているので、攻撃は枚数を掛けてカウンターをされないようにしっかり落ちるっていうところを気を付けています。

ーーキャプテンとしてどうやってチームを引っ張っていますか?

 練習からもそうなんですけど、「練習だけじゃなくて普段の学校生活からしっかりやろう」と言っています。やっぱり練習も雰囲気が大事だと思うのでしっかり一個一個大事にしないといけないと思っていて、プレーだけちゃんとしていても意味がないと思うので、練習から丁寧に一個一個やる事を意識しています。

ーー試合を観ていて個性が強いメンバーなのかなと思ったんですが、まとめるのは大変じゃないですか?

 大変ですね(笑)。正直めちゃくちゃ大変です(笑)。

ーーどのへんに苦労しましたか?

 やっぱり賑やかというか、うるさいというか、ヤンチャというかそういう学年のカラーなので、「こうして!ああして!」も聞いてはくれるんですけど、思い通りにいかないことも多くてまとめるのは大変です。去年の3年生もみてきたので、練習の雰囲気も違うっていうのもあって、仲が良いので"バシッ"と決まる事が中々なくてちょっと緩い感じになってしまうところがあります。試合になればそんなことはないんですけど、練習からもっと引き締めてやっていきたいっていうのが僕自身は思っているんですけど。

ーー結構きつい感じで言ったりもしますか?

 だいぶ言ってます。いつもそれは言っていますね。

ーー去年はチーム内でどういう立ち位置でしたか?

 去年の選手権は中盤でスタメンで試合に出させてもらっていたんですけど、先輩たちの姿をみていて、先輩たちはピリピリしている空間でした。キャプテンもそういう感じだったので僕らとは全然違いました。

ーーそうなると去年と今年で全然違いますね?

 だいぶ違いますね(笑)。この年代はみんな仲が良いって感じです。

ーー得意にしているプレーと課題はどういうところですか?

 得意なプレーはドリブルです。課題は判断です。持ち過ぎてしまうところもあるので、もう少し早めにはたいたり出来ればチームもよく動くかなと思うので。

ーーこのチームは技術が高い選手が多いと思うんですが?

 そうですね、一年の頃からみんな個人技は強い学年で、それはずっと言われていました。

ーー後はチームとしてどれくらいまとまれるかですね?

 一年の時に比べればまとまってきていて、いい感じにはなってきているので、このまま引き締めてやっていきたいです。

ーー他の学年はどうですか?

 他の学年は足元の技術もあるんですけど、どっちかと言えばパスワークとかチームワークがいいので、紅白戦でやられることもあって、2年生はそういうところが上手いです。僕らは個性が強いので全然違うチームカラーです。

ーーでは次戦に向けて意気込みを教えてください。

 次は練習試合もしたことがある寝屋川で強いと思うんですが、練習も出来ていなかった期間もあったのでまだまだ足りない部分があると思うので、このまま気を抜かず、引き締めて次も勝ってもっと上に行きたいと思います。

(文・写真=会田健司)

▽第100回全国高校サッカー選手権大阪予選
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