ここまでチームを引っ張ってきた大阪商大高キャプテン浦岡大和(写真中央3番/写真=大阪商大高サッカー部提供)

　今年のインターハイ予選では6回戦で大阪桐蔭に敗れたものの、2回戦からの勝ち上がりで見事に16強入りを果たした大阪商大高。リーグ戦ではここ2カ月負けなしと好調を維持したまま臨んだ選手権だったが、初戦でアサンプションに敗れ無念の3回戦敗退となった。その大阪商大高でキャプテンしてチームを引っ張ってきた浦岡大和選手に3回戦(vsアサンプション0-3●)の試合後に話を聞いた。

ーーまず今日の試合を振り返ってもらえますか？

　1カ月以上前からアサンプションが相手だと思って、リーグ戦もあったんですがこの試合に向けてみんなで準備してきました。自分たちのミスから失点してしまって、そこから良い攻撃もあったんですけど1点が遠くて、それでもアサンプションは強かったし、自分たちの出来ることはやったし良い試合が出来たと思います。

ーーインターハイで6回戦まで行ったことでチームは自信を掴んでいたと思いますがそこについてはどうですか？

　ベスト16行けたのは行けたんですけど、そこに満足せずにしっかり"更に上へ"と向上心を持って練習からやっていたので、「インターハイでベスト16に行ったからといって、選手権でそこまで行ける訳ではない」というのは全員意識して話し合って、夏に大阪桐蔭に負けたのでその悔しさを晴らそうと、選手権でリベンジできるようにしっかり準備してきたんですけど今日みたいな結果になってしまって。まだまだ練習が足りなかったと思っています。

ーーキャプテンとしてチームを引っ張る上で苦労したことや気を付けてきた事はありますか？

　自分はキャプテンとしてやってきたんですが、試合に出れていなかったりしてたので、そこはチームに迷惑をかけてきました。なのでチームの中で自分のできることを探して、選手一人一人の表情とかをオフザピッチのところから徹底してやっていました。部員も100人近くいるのでそれをまとめていくのはしんどいんですけど、副キャプテンとかの力があったから自分はやってこれたし、「辞めようかな」と思う事もあったんですけど、試合に出ている副キャプテンの吉田がチームを引っ張ってくれて助けてくれたので、キャプテンだからとかではなくチームが助けてくれました。自分はもうなにもやっていないって言うのはおかしいんですけど、副キャプテンがいたからこそだったので自分はまだまだです。

ーー今の3年生とここまでやってきた3年間を振り返ってみてどうですか？

　凄く短い3年間だったなと思っていて、新チームになってから全然勝てなくなった時期もあったんですけど、その中で「どうやったら勝って行けるのか」という事を凄くみんなで話し合ってミーティングを重ねて勝利を掴んでいって。リーグ戦も最初は勝てなかったんですけど、後から自分たちのやるべきことがはっきりしていって勝てるようになっていったので、そこは凄くよかったのかなって思います。

ーーその勝ち始めたきっかけはあったんですか？

　話し合って行く中で、自分たちで考えて行動出来たんで、その中で先生たちの指導があったので、自分たちも勝ち星を掴めるようになっていったんだと思います。だから決して自分たちの力だけではなくて、先生たちの力があってこうなってきたんだと思います。

ーーどうやって選ばれてキャプテンになったんですか？

　投票で決めて、先生たちが話し合って決めました。

ーー試合に出れなくて悔しい気持ちもあったと思うんですが、そこはどうですか？

　「試合に出れないからといって、それを表情に出さないように」っていうのはずっと意識していて、自分が試合に出れないからイラついてチームに悪影響を及ぼすのは良くないので。そこも先生たちが指導してくれて、自分自身「試合に出れないけど、何が出来るか考えてチームをまとめよう」という事を凄く意識していました。

ーー3年間で自分の一番成長できたところって何ですか？

　人間的なところが成長できたのかなっていうのは思っているし、自分がもしキャプテンになっていなくて、サッカー部にも入っていなかったら絶対遊び呆けて人間的に腐っていたと思うんですけど、サッカー部におったからこそ、先生たちに指導してもらったからこそ人間的に成長できたと思います。サッカーをやってたらいいんじゃなくて、「サッカーをやりながら人間的な成長を」と、掲げてってやっていたのでそこが自分を人間的に成長させてくれたんだと思います。

ーーこの先はサッカーを続けていきますか？

　正直迷っていて、"高校3年間"というのは親と約束していて、「サッカーをやらせてくれ！」と中学の時に頼み込んで「高校の3年間だけ」と約束してもらったので、高校3年間に全てを捧げてきました。なのでまだそこは決められていないです。

（文＝会田健司）