履正社GK平尾駿輝と平野監督

 10月14日、履正社(大阪)所属のGK平尾駿輝(3年)のカターレ富山内定が発表され、オンライン記者会見が行われた。質疑応答は以下の通り。

ーープロ入りに至った経緯と感想、そしてストロングポイントを教えてください

 プロ生活が決まって率直に嬉しいです。楽しみな気持ちと共に不安もあります。カターレに入った経緯は僕が平野監督にプロ志望を出して、富山の方に練習会行ってみないか?と声をかけて貰い、オファーを貰いました。昔からの夢で日本代表に入るっていう夢があるんで、そこを目指してブレずにやっていきたいです。僕はセービングが1番得意。シュートストップという所は負けない気持ちでやっています。そこは自信を持ってやってきたと思います。

ーー練習参加した際の感想。どんな点を評価されたのか

 手応えは正直言って、なかったです。オファーを貰えて、ホッとしました。課題はいっぱい感じました。シュートストップが得意っていうところもあったんですけど、その基準が凄く高かかった。あと足元のプレーとかワンタッチパスの精度も課題として見つかりました。僕は試合中にいつも謝るんですけど、「そこは結構自信を持っていいよ」、「自信持ってプレーすればいいんちゃうかな?」みたいなアドバイスを西部選手から貰いました。謝る部分については自然とでちゃうので、今はまだ改善できていませんが、自信を持つ所は意識しています。スタッフの方には、自信があるシュートストップを見てもらえたのだと思います。

ーー高校に入ってから感じる成長は

 中学の時は、それほどサッカーに打ち込める環境がなく、自分に自信もなかったです。高校に入った1年目は凄くメンタルがやられてしまう時もあったんですけど、周りと助け合うことを学びました。自分で抱え込まず周りに相談して、問題を解決できた。自分の力も大切ですが、周りと協力することも大事だと学びました。一度メンタルがやられて、平野先生に辞めたいと相談したことがあるんですけど、そこで「今まで経験が浅いから、身長もあるし、今ここでやめたら失敗というか後悔するよ」と言われて、思いとどまり頑張り続けようと思えました。

ーーなぜ辞めたいと思ったのか。今年はプリンスリーグでの活躍が光ります

 僕は中体連出身(高槻市立五領中学)なのですが、入学してからレベル差を感じて、やっていけないと思う位まで気持ちが沈んでいました。そこで、平野先生の声で助けて貰いました。今年の失点数6というのは、自分の力だけじゃなくDFの力もあります。実際、僕はスーパーセーブをあまりしていません。仲間に協力するっていう学びを活かせていると思います。選手権での目標は失点0というよりは、大阪一を取って行きたいです。

ーー自信を掴んだ転機、成長できた理由

 1年生のグロイエンもあまり試合に出られなかったのは、メンタル的にきつかったです。1年生の試合に2年生の僕が出るってなった時も、メンタルがやられました。でも、1個上の選手権のメンバーに入れてもらった時に少し自信がつきました。ライバルである藤原光輝の存在も、凄く大きかったです。ずっと競争しながらやってきました。僕がちょっと調子に乗れば、すぐ交替というのもあったので、凄く刺激になっていました。今年の4月ぐらいは調子が全然上がらなくて、泣いていたこともありました。調子が上がらなかったのは、たぶん調子に乗っていたから。今は順調とまではいかないですけど、かなり良い段階には来ていると思います。

ーー大学という選択肢もある中、なぜプロ志望だったのか。これから高めていきたい部分は

 お兄ちゃんが3人、お姉ちゃんが1人いる5人兄弟なので、大学に行くと、親にお金の面で負担をかけるかなと思いました。気にしないでって言われてるんですけど、しちゃう部分もあって。そこはもう助けたいと言うか。早く親孝行したいと思いました。ごめんって言ってしまう部分は直したい。1年の時よりは自信がついてきたんですけど、まだ足りない。だから、技術ではなく、心の方の成長をして行きたいと思います。

ーー富山に練習参加した際の印象。これからどんな選手になりたいか。選手権への意気込み

 選手間の仲が良いなって思いました。練習前に話し合いとかボール回しをしているのが良いなって。環境も凄く良いので、凄いなと思いました。僕は足元が不安なのですが、カターレは繋いでいく印象を持ちました。不安もありますが、学んで成長してきたいと思います。僕は後ろからチームの10人を元気づけられるようなキーパーになりたい。昔から川島永嗣さんが好きなのですが、カターレに練習参加したり、試合を観ていると、西部さんを尊敬しました。川島さんと西部さんから学んでいきたいです。選手権予選では履正社高校サッカー部のみんなで優勝して、全国優勝したい。プレミアリーグにも上がって、後輩たちにも繋いでいきたい。

ーー高校で貴志正弘GKコーチから専門的な指導を受けたことについて。また、GK仲間の存在

 「上手い下手は関係なく、できることはある。そこで120%の力で頑張れば結果と実力がついてくる」と教えて貰いました。そこを2年間やり続けてきたから、今があるのだと思います。キーパー陣は仲が良いので、帰りのバスとかで今日の練習であったことのアドバイスや、悪い部分を指摘し合ってきました。一人では気付けないことがたくさんあります。周りからの指摘で変わることもあったので、そこが成長に繋がったと思います。

 以下、履正社の平野監督の質疑応答。

ーー平野監督から見た平尾選手の第一印象。成長を感じる部分

 素材的には身長の高さがあって、身体の大きさもある。太さがあってパワーがあるのは魅力でした。途中で「練習がきついからついていけない」と零したこともありましたが、一言声かければすぐ戻ってきてくれ、段々自信をつけていきました。自信がなかったのが、試合に使うたびに自信をつけていった。最初は大きい体が小さく見えていたけど、大きい体が段々大きく見えるようになりました。今はとても大きく見えています。

ーー平野監督が感じる藤原選手の成長速度の速さの理由は

 中体連のチームでやっていたので驕りがない。自分が下手だと思っているので、非常に気持ちが素直な子です。今も同じで、すぐに謝る癖に繋がっている。たぶん日本一謝るキーパーだと思います。自信がないというよりも、謙虚な部分が1試合ごとの成長を促している気がします。今はハイボールが強くなり、チームの頼れる守護神になりつつあります。プロ選手が目標っていう選手も多いんですけど、ここからが本当のスタートなので、彼の成長を楽しみにしています。

ーー平尾選手のどんな点を評価したのか

 平尾君には2回練習参加してもらいました。特徴であるシュートストップに可能性を感じました。課題としているビルドアップの部分でも変化が見られました。GKコーチの細かい指導に対しても反応が良かった。素材としても楽しみで、そうした部分を評価しました。

 また、カターレ富山・遠藤善主強化部長コメントは以下の通り。

 平尾君には2回練習参加してもらいました。特徴であるシュートストップに可能性を感じました。課題としているビルドアップの部分でも変化が見られました。GKコーチの細かい指導に対しても反応が良かった。素材としても楽しみで、そうした部分を評価しました。

(文・写真=森田将義)